街角 駅から徒歩10分 ＜FK＞

4 藤 ページ4

F side





何だかんだで閉店間際、お客さんが全員帰った後まで紹介して貰えなかった俺の天使、北山くんが今目の前にいる。



可愛すぎて直視出来ないレベルだ。
(とか言いつつしっかり見てるけど)





「よこーさん、なんかコイツ目やばくね？」


「みっちゃん、シッ。」



ジト目で俺のことを見るその姿も愛らしくて堪らない。彼の視線に自分が入っただけでも嬉しくて涙が出そうだ。





「初めまして。藤ヶ谷太輔です。


一目見た瞬間、貴方が僕の運命の人だと分かりました。好きです 付き合って下さい！」



頭をさげて北山くんに向かって手を差し出す。



言い切った後、渉のあちゃ〜感満載な顔が目に入ったけど気にしないことにした。




ちらっと目線だけ上にあげて北山くんの様子を伺う。


ポリポリと困ったように首の後ろをかく姿も最高に可愛い。





「あー、ゴメン。無理。俺今恋愛とかやってる暇ねぇんだ。」



「しかも俺、藤ヶ谷サンのこと全く知んねぇしさ、今日初対面だよね？藤ヶ谷サンだって俺のこと何も知らないでしょ？」




確かに...そうだけど..





「それでも好きなんだ...この気持ちを無かったことには出来ない。」




6歳差でしかも同性。彼にとったら気持ち悪いかもしれないけど諦めきれない。





「今すぐ付き合ってなんて言わないから俺に努力だけでもさせて？」





絶対振り向かせて見せるから。





.

5 藤→←3 横

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す