街角 駅から徒歩10分 ＜FK＞

12 北 ページ12

Ki side











藤ヶ谷サンが車の扉を開けてくれて助手席に座る。







「北山くん、お肉が好きって言ってたから美味しい焼肉屋さん予約しといたよ」



「まじ？めっちゃ楽しみ。」



この先は不安だけど肉が食べれるなら別だ。




「予約まで30分くらい時間あるから少し遠回りして向かうね。」




そう言ってアクセルを踏む藤ヶ谷サンはやっぱり男の俺から見てもイケメンだと思う。



しかもなんか良い匂いするし。







「俺には無理だな〜〜」


「へ？何が？」


「んー、藤ヶ谷サンみたいに色気がある大人にはなれなさそう」


「んふ、俺に色気？そんなの無いよ。俺には北山くんのがあると思うよ。」



「オレ？それこそ１ミリもないだろ。」




だってチビだし童顔だし。






「うん、俺にしか分からなくて良いよ。」




そう言うとチラッと流し目でこっちを見てニコって色気のある顔で笑う藤ヶ谷サン。






「っ....ずる。」





明らかにわざとだろ、何だよ今の。

確実に落としにかかってる。







...きゅんとするなしっかりしろ、俺。








.

13 藤→←11 藤

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す