準備 ページ7
聞き間違えるはずがない。
だって、僕はずっとこの音を聞いてきたんだ。
あの人かもしれない、そんな淡い期待を込めて今の自国に向かって大量に爆弾を投げた。
これだけ投げれば上も気づくだろう。
けれどどうでもいい。
はやく、はやく、はやく。
戦場を駆け抜ける。
敵か味方かなんてどうでもいい。
目の前で邪魔をしてくるやつをいつか貴女に教えてもらったやり方で切ってころしてゆく。
次第に大きくなってゆく音。
走ってはしって、ようやく音がする場所に着いた。
ゆっくり顔を上げると懐かしい、忘れられない顔があった。
彼はこちらの国の兵士と楽しそうに戦っていた。
あぁ、変わらないなぁ。
しかし、姿を見てふと思った。
もし、これが全て幻覚だったら？
もし、これが全て僕の夢だったら？
幻覚でも、夢でも現実でもなんでもいい。
僕が彼の名前を呼んだ時と、こちらの国の兵士を彼が殺し終わった時は同時だった。
『…ゾム………』
僕の声に気づいた貴方はこちらを見て大きく目を開いた。
｢…、Aか…？｣
ｻｧｧ、と風が吹き、彼のフードが飛ばされて翠色の瞳がこちらを覗いた。
本当にあなたなのか
それからあなたのうしろには我々国の人達であろう人がいた。
『、、何となくわかってたけど』
僕は踵を返した。
後ろから聞こえてくる声を聞こえないフリして。
だって聞いちゃうと怒りが湧いてしまいそうだから。
気が揺らいでしまいそうだから。
僕は貴方しかいなかった。
今までひどい扱いされた僕に優しくしてくれたのは貴方だけだったから。
今になればあなたも酷いや。
こんな僕に優しくして。
あとから辛くなることなんてわかってたのに。
そのくせ1人でいなくなった。
ずるいよ。
僕を、独りにしないで
貴方がいる所がそちらならもうこちらに用はない。
戦場内を駆け巡って爆弾を投下して行った。
どんどん爆発していく。
この国の城も戦車も、人も、すべて。
ずっと泣けなかった。ずっと笑えなかった。
全ての思い出に貴方がいて、苦しくて。
だから全部を爆発させた。
いや、まだ全部じゃないか。
僕が残っている。
目を閉じてあの夏を、あの思い出たちを頭に浮かべた。
楽しいことばかりだったなぁ。
思い出たちを爆発させた。
ふと足音がした。
後ろを振り返るとあなたと仲間であろう人たちがいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
０号(プロフ) - 自分も全て分かっている訳ではないのでこれ以上は何も言いませんが中身においては読んでいないので分かりません。今後もマナーを守って頂けると利用側としても嬉しいです。失礼致しました。 (2020年1月5日 14時) (
レス) id: 4f250ab172 (このIDを非表示/違反報告)
ラビル(プロフ) - ０号さん» 注意書きの所も修正いたしました。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: d238749b85 (このIDを非表示/違反報告)
０号(プロフ) - ラビルさん» 指摘するのに歌詞を用いては元も子も無いので指摘のしようがないのですが、歌詞は一文でも著作権が関わります。もう一度注意書きをよく読んで理解して頂けると幸いです。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: 4f250ab172 (このIDを非表示/違反報告)
ラビル(プロフ) - ０号さん» ご指摘いただき、ありがとうございました。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: d238749b85 (このIDを非表示/違反報告)
ラビル(プロフ) - ０号さん» 歌詞なのかな？と思う場所を修正致しましたのでご確認お願い致します。未だ良くないところがあれば教えていただけると幸いです。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: d238749b85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラビル | 作成日時：2019年7月2日 16時
