62小節目 ページ22
A「そこでわかったの。私は『プロデューサー』でいたいんだって、一生懸命光り輝くアイドルたちの傍にいたいんだって。だから、ようやく見つけた私の進みたい道に進ませてください！」
全部言い終わり、思いっきり頭を下げた。すると、拍手が聞こえてきた。驚いて顔を上げると、涙目になりながら手を叩くお母さんの姿があった。
母「良く言った……！お母さん大賛成！実はね、高校の進学先を夢ノ咲にするってなった時も、学科移るってなった時も、お父さんが一番Aを心配しててね。Aが自分の意思で何かをしたいって言えるようになったら良いなって思ってたのよ」
父「おい……」
A「え……」
驚いた。お父さんは私のことなんてどうでもいいんだって思ってたのに。その時、初めてお父さんの表情をちゃんと見れた気がした。よく見ると少し柔らかい表情をしている。私が自分の意思を伝えられたから、安心してくれているのだろうか。
母「ほら、自分で言いなさいな。娘がこんなに成長したんだから、お父さんも良いとこ見せないと」
父「…………A、お前の好きなようにしなさい。就職先には一緒に謝りに行くぞ」
A「……！ありがとう、お父さん！！」
その日の夕ご飯は今までよりも一番美味しく感じた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
それからは怒涛の日々だった。一気に準備期間や最終調整が終わり、【返礼祭】当日になって、無事に一連のイベントが終わった。
他のアイドルたちのステージはもちろん、【レクイエム】も涙なしには観れなかった。結果としては『王さま』は嵐ちゃんだったのだが、彼はその権利を使って、玉座を司くんに譲ると言い出した。そして、ファンの意思もあり、司くんが新しい『王さま』となった。最後、みんなで歌うその時の5人の姿を表現するには『美しい』の一言しか見つからない。
どのステージも、衣装も、歌声も、ダンスも、その全てが青春に包まれていた。ファンの皆さんのサイリウムが本当に綺麗で、その光を受け取って輝くみんながとても愛おしくて仕方がなかった。
そんな返礼祭の余韻に浸る間もなく、その時がきた。
今日は卒業式。意外と式本番は泣くことがなかった。多分、あまりにも忙しすぎたのと、これから仕事は続くので卒業するという実感が湧かないのだろう。
最後のHR後、アイドル科よりも早く式を終えて閉校している普通科の校舎を、私は特別に回らせてもらい、みかんと一緒に過ごした日々を思い出していた。
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明瞻(あけみ)(プロフ) - 名も無き読者さん» 長らく気が付かずすみません！ありがとうございます!!!!最後まで大切に大切に描いてゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2022年2月9日 13時) (
レス) @page27 id: b0e4b10a69 (このIDを非表示/違反報告)
名も無き読者 - この作品大好きです！無理しない程度に頑張ってくださいね。続きが楽しみです (2022年1月27日 0時) (レス) @page26 id: 1a80ca11ab (このIDを非表示/違反報告)
明瞻(あけみ)(プロフ) - 奏さん» 8月30日！？全然気付かなくてすみませんでした！コメントありがとうございます！引き続き、この曲を楽しんで頂けると幸いです！ (2021年10月14日 22時) (レス) id: b0e4b10a69 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - とっても面白かったです！ (2021年8月30日 9時) (レス) id: 910795ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明瞻(あけみ) | 作成日時：2021年6月15日 13時
