53小節目 ページ13
少しふたりで笑い合った後、話は返礼祭のことになった。レオが意図していることや「Knights」とメンバーへの想い、その他の詳細などプロデュースするうえで大切なことを聞いた。そしてメンバーにはあまり口出ししないように、且つ見守っていてほしいと言われた。返礼祭の話はそこで終わり、話は2人の今後の進路についてになった。
レオ「A、就職するのか？」
A「少し前まではそう思ってた。でも、それじゃ後悔するって思ったから、これからもプロデューサーを続けるって決心した。まずはそのことを天祥院くんに謝るのと一緒に伝えるつもり」
A「その後に、今度こそは私から家族にも伝える」
レオ「……！そっか、じゃあたまにだけかもしれないけど、この先も一緒に仕事できるんだな！」
A「そうだね。レオは、世界で作曲家活動するんだっけ」
そう聞くとレオは静かに頷き、優しい手つきで今日会った時から持っていたメモ帳に触れた。
レオ「おれはもともと決めてたけど、今日思ってること言ってすっきりしたから、迷いは全くなくなった。ありがとう」
いつもの無邪気な笑顔とは打って変わって、その穏やかな微笑みに思わず鼓動が跳ねてしまった。それをごまかすように未だにレオが触れているメモ帳の話をする。
A「それ、珍しく失くさずに使ってるね」
レオ「なんだかこのメモとペンを使ってると、不思議と霊感(インスピレーション)が湧いてくるんだよ」
A「そう、なんだ」
レオ「これ使い終わったらまたAが補充してくれよ」
A「わかった。世界のどこにいても見つけて届けにいくから」
レオ「ああ。なら見つけやすいように、あちこちにおれの曲を書いておく！」
A「それは勘弁して……！」
そこで時計を見ると結構遅い時間になっていたので、レオが家まで送ってくれることになった。みかんとお母さんに連絡を入れ、ふたり並んで歩く。初めてレオと会った日の放課後を思い出していると、レオも同じことを考えていた。
レオ「懐かしいな。初めて会った日にこうやって帰ったな。まあ、あの時はスオーも居たけど」
A「そうだね。時間経つの早いや」
そこで少しお互い無言になった。たぶんレオも私も、この短い間にたくさんあったことを振り返っていたからだと思う。
ちらとレオの横顔をうかがうと、どこか嬉しそうに、そして何かを噛みしめるように微笑んでいた。
その笑みは、私の脳裏に一瞬で焼き付いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明瞻(あけみ)(プロフ) - 名も無き読者さん» 長らく気が付かずすみません！ありがとうございます!!!!最後まで大切に大切に描いてゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2022年2月9日 13時) (
レス) @page27 id: b0e4b10a69 (このIDを非表示/違反報告)
名も無き読者 - この作品大好きです！無理しない程度に頑張ってくださいね。続きが楽しみです (2022年1月27日 0時) (レス) @page26 id: 1a80ca11ab (このIDを非表示/違反報告)
明瞻(あけみ)(プロフ) - 奏さん» 8月30日！？全然気付かなくてすみませんでした！コメントありがとうございます！引き続き、この曲を楽しんで頂けると幸いです！ (2021年10月14日 22時) (レス) id: b0e4b10a69 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - とっても面白かったです！ (2021年8月30日 9時) (レス) id: 910795ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明瞻(あけみ) | 作成日時：2021年6月15日 13時
