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外は肌寒く、まだ月が出ていた。右前方の地平線が鈍い緑色に縁取られていることだけが、夜明けの近いことを示している。
「イギリスには二百個の『移動キー』が戦略的拠点に設置されたんだよ。そして、わが家にいちばん近い鍵が、ストーツヘッド・ヒルのてっぺんにある。いま、そこに向かっているんだよ」
ウィーズリーおじさんが行く手を指差した。オッタリー・セント・キャッチポールの村のかなたに、大きな黒々とした丘が盛り上がっている。
「『移動キー』って、どんなものなんですか？」
ハリーは興味を引かれた。
「そうだな。何でもありだよ」
アルフレドが答えた。
「当然、目立たないものだ。マグルが拾って、もてあそんだりしないように。マグルがガラクタだと思うようなものだ」
一行は村に向かって、暗い湿っぽい小道をただひたすら歩いた。静けさを破るのは、自分の足音だけだった。村を通り抜けるころ、ゆっくりと空が白みはじめた。墨を流したような夜空が薄れ、群青色に変わった。
Aは、手も足も凍えつき、もともと真っ白な顔が青白くなった。おじさんは何度も時計を確かめた。 ストーツヘッド・ヒルを登りはじめると、息切れで話をするどころではなくなった。あちこちでウサギの隠れ穴につまずいたり、黒々と生い茂った草の塊に足を取られたりした。一息一息が胸に突き刺さるようだった。
足が動かなくなりはじめたとき、一行はやっと平らな地面を踏みしめた。
「フーッ」
ウィーズリーおじさんは喘ぎながらメガネをはずし、セーターで拭いた。
「やれやれ、ちょうどいい時間だ――あと十分ある……」
Aはいちばん最後だった。息を切らしていると、目の前に手が差し出された。ジョージだ。Aがジョージの手を取ると、ジョージはAの体を平らな地面まで引っ張り上げた。
「さあ、あとは『移動キー』があればいい」
ウィーズリーおじさんはメガネをかけ直し、目を凝らして地面を見た。
「そんなに大きいものじゃない……さあ、探して……」
一行はバラバラになって探した。探しはじめてほんの二、三分もたたないうちに、大きな声がしんとした空気を破った。
「ここだ、アーサー！ 息子や、こっちだ。見つけたぞ！」
丘の頂の向こう側に、星空を背に長身の影が二つ立っていた。
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太陽(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！作者さんのおかげで、フレッド＆ジョージの良さに気づけました！！まじで最高です！ (2月18日 0時) (
レス) @page46 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - セラピーさん» うわー！！私の作品がきっかけになれてとてもうれしいです！！ありがとうございます😭😭💕更新頑張ります！！ (1月31日 5時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
セラピー(プロフ) - とっても面白いです。この作品に出会ってからフレッド＆ジョージの素晴らしさに目覚めました。続き頑張ってください！ (1月30日 21時) (レス) id: c35619f4b1 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ますしんさん» ウワー！ありがとうございます！😭長いのに一気に見ていただけて…嬉しいです…💕ありがとうございます…！更新おまたせしてしまっていますが、がんばります…！！！！😭💕 (1月29日 7時) (レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - この作品がとっても大好きになってしまいました。続きが気になって気になって夜も眠れません…でもご無理せず！応援しております！！！ (1月22日 1時) (レス) id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2023年11月15日 3時
