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談話室に戻ると、もうグリフィンドール生たちで賑わっていた。Aが談話室に入った途端、周りはいったんおしゃべりをやめて、Aを見た。
Aはグリフィンドール生たちの冷たい視線の中をくぐり抜け、談話室の一番端っこの椅子に座り、図書室で読んでいた本をまた開いて読み始めた。
程なくして、さきほどドラコに足縛りの呪いをかけられたネビルが、談話室に戻ってきた。まだ解けていないのか、ここまでうさぎ跳びをしてやってきたらしい。みんなは笑い転げたが、ハーマイオニー・グレンジャーだけは立ち上がり、即座にそれを解いてやった。
「どうしたの?」
「マルフォイが……」
ハリーたちの方に座ったあと、ネビルは震えた声で話し始めた。
「図書室の外で会ったの。誰かに呪文を試してみたかったって……」
「マクゴナガル先生のところに行きなさいよ! マルフォイがやったって報告するのよ!」
「これ以上面倒は嫌だ」
ネビルが首を横に振りながら言うと、ロンが口を開いた。
「ネビル、マルフォイに立ち向かわなきゃだめだよ。あいつは平気でみんなをバカにしてる。だからといって、屈服して奴を付け上がらせていいもんじゃない」
「僕が勇気がなくてグリフィンドールにふさわしくないなんて、言わなくてもわかってるよ。さっきマルフォイがそう言ったから。それに……」
ネビルがちらっとAを見ると、ロンの眉がつり上がった。
「なんだ?あいつにも言われたのか?」
ネビルが慌ててAから目をそらしたが、遅かった。ロンが立ち上がり、Aの方へ向かおうとするのを、ハーマイオニーが慌てて止めた。
「喧嘩はだめ!」
「グリフィンドールにふさわしくないなんて、アイツが言えるような話じゃない!」
「ロン、聞こえるわよ!」
ハーマイオニーが宥めるように言った。とっくに筒抜けだったが、Aは聞こえていないふりをした。ハリーはそんな二人を横目に見たあと、ポケットの中から蛙チョコレートを取り出し、泣きそうになっていたネビルに渡した。
「マルフォイが十人束になったって、君には及ばないよ。組分け帽子に選ばれてグリフィンドールに入ったんだろう? マルフォイはどうだい? 腐れスリザリンに入れられたよ」
蛙チョコの包み紙を開けながら、ネビルは少し笑顔になった。
「ハリー、ありがとう。僕、もう寝るよ……カードあげる。集めてるんだろう?」
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鵲(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です! (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2023年6月16日 2時