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医務室についたあと、マダム・ポンプリーの指示でフレッドを空いていたベッドに移動させ、マダムがフレッドの口に元気爆発薬を流し込む様子を見届けてAは医務室を後にしようとした。しかし、フレッドに腕を掴まれて、Aは振り返った。
フレッドは何も言わず、たった今飲まされた薬の苦さで未見にシワを寄せて唸っていた。
「おい、離せ……」
「うーん……」
Aはフレッドの手を振りほどこうとしたが、できなかった。仕方無しにフレッドの方へ戻ると、フレッドはそこでようやく手を離した。Aはフレッドの顔をのぞき込んだ。そばかすだらけの顔は、双子の片割れ、ジョージと全くそっくりだ。
それに、燃えるような赤毛はもちろんウィーズリー家の特徴であるが、フィオナともよく似ている。
フレッドの顔をじっと見つめていると、程なくして、赤毛の下からもくもく煙が上がり始めたので、Aは目を丸くした。元気爆発薬の副作用だ。だが、フレッドは眠ってしまったらしい。
Aは赤色のまつげをしばらくじっと見つめていたが、少しするとまたフレッドに背を向け、今度こそ医務室を出ていった。
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「いやあ、助かったぜ。A。まさか俺が風邪ごときにやられるなんて!とんでもない屈辱だ」
翌日医務室から帰還したフレッドが、真っ先にAにお礼を言いに来た。
「でもAが俺を医務室に連れて行ってくれるなんて思わなかったなぁ。あんまり記憶ないけど」
「お前が──私の方に倒れてくるから、仕方なくそうしただけだ!」
Aが怒りながら言うと、フレッドは「分かってるって」と笑った。
「ありゃ罰当たりだな。俺を置き去りにしてフィルチから逃げた天罰が下ったのさ。なあ?この人でなし」
「イテッ──お前、まだそれを根に持ってるのかよ?」
ジョージがフレッドを小突くと、フレッドは面倒臭そうに頭を掻いた。Aは二人を睨みつけた。
「用が済んだならとっとと行けよ、お前たちがいると気が散る!」
「酷いなぁ。でもA……おあいにく、ここは大広間……全校生徒の共用スペースだ」
「だから、違う席に座れって言ってるんだ!」
Aが声を荒げたので、周りの生徒たちが何事かと一瞬Aたちの方を見た。Aがきゅっと口を結ぶと、生徒たちはまたおしゃべりを始めた。
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鵲(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です! (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2023年6月16日 2時