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Aがなにも言わずに黙り込んだので、二人はそれ以上怪我について追求するのはやめることにした。
「…………ま、いいや。それはまたいつか聞くことにするよ。約束通り、俺達は他のコンパートメントに移ろうかな」
そう言いながら二人は立ち上がった。お互いの顔を見合わせたあと、フレッドはAの頭に手をのせて、突然、わしゃわしゃと撫ではじめた。
「っ、な──おい──何するんだ！！」
フレッドはニヤッと笑うと、Aから手を離し、コンパートメントの扉に手をかけた。
「俺達、フィオナのコンパートメントに行くぜ……さっき見かけたんだ。すぐ近くだから、もし寂しくなったらいつでも遊びに来ていいよ」
行くわけないことを分かっているくせにというように自分を睨みつけるAに気づかないふりをして、フレッドは先にコンパートメントを出た。フレッドに続いてコンパートメントを出ようとしたジョージはちらっとAの方を振り向くと、もう一度戻ってきて、座っていたAと同じ高さに膝をついてしゃがみこんだ。
「忘れてた、A、左手を出して」
Aが怪しむようにジョージを見たので、ジョージは「別に悪いことなんてしないさ」と笑った。Aが恐る恐る左手を出すと、ジョージは杖を取り出して、Aの左手をそっと握ると、傷に向かって唱えた。
「
たちまち、Aの傷がきれいサッパリなくなった。しかしAは、ジョージに傷を治されたことが屈辱そうだった。
「この呪文は結構得意なんだ。俺達も色々と怪我することが多いんでね。それこそ、禁じられた森なんかに入ったときは──」
「ジョージ、何してんだ？」
「今いくよ」
戻ってきたフレッドにそう告げ、ジョージはまた立ち上がると、自分を見上げるAに微笑んだ。
「A、あんまり無理するなよ。いつか本当に壊れちまうぞ」
ジョージは最後にそう言って、コンパートメントを後にした。
二人がいなくなったあと、きれいになった手を見つめながら、Aは口をきゅっと結んだ。
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鵲(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (
レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です！ (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2023年6月16日 2時
