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「──あの子の様子はどうだ？」
「ええ、ずっと部屋に閉じこもったままなのよ。食事に呼んでも部屋から出てきてくれないの。最近は部屋の扉の前に置いてるけど、このままじゃ、あの子がもっとやつれてしまうんじゃないかって、心配だわ……」
夏休みに入ってから、Aはずっと部屋に閉じこもりきりだった。母が扉の前に置いてくれた料理たちがすっかり冷めきった頃に部屋へ持ち運び、一応食事は取っていたが、Aはこの頃、ずっと食欲がなかった。
夏休みに出された宿題を片付けるか、眠っているかのどちらかに意識を集中していないと、またフィオナのことで色々と考えてしまう気がして、Aは気が気じゃなかった。
そんな生活を送っていたさなか、フレッドとジョージから、夏休み前に言われたとおり手紙が届いた。内容は特にな大したものでもなく夏休み中のことや課題が終わらないなどという、平凡でなんでもないような世間話ばかりだった。Aは返事を一切書かなかったというのに、二人は頻繁に手紙をよこした。それに一応目を通してから、ゴミ箱に捨てるのをAは繰り返した。
「A？」
何通目かの手紙を破いてゴミ箱に捨てたとき、部屋の扉をノックされて、Aはそちらを振り向いた。
「お願い……部屋から出てきて、顔を見せて。あなたが心配なの」
母の声だった。震えていて、今にも泣きそうだった。Aはうつむくと、部屋の扉の前まで歩いてきて、しばらく迷ったがドアノブに手をかけた。
部屋の扉を開けるとすぐに、母はAの顔の様子を窺って、それから顔を青ざめさせた。きっと、とてもやつれているように見えたのだろう。
「A……お願いだから、きちんと食事をとって……部屋から出て、私達に顔を見せてちょうだい……」
Aは眉を寄せて、母が震えた手でAの手を取り、しゃくりあげるのを聞いた。
「何も心配することはないです。私は病気でも何でもありませんから」
Aは呟くように、無愛想にそう告げると、母の手を払った。
「ただ、少し疲れているだけです」
そうとだけ言って、Aは母が何かを言う前に、また扉を閉めた。
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鵲(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (
レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です！ (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2023年6月16日 2時
