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「三番目はハリー・ポッター君……」





彼の名前が出た途端、大広間は、水を打ったようにシーンとなった。





「……その完璧な精神力と、並はずれた勇気を称え、グリフィンドールに六〇点を与える」






今度は耳をつんざく大騒音だった。グリフィンドールが四七二点になった。スリザリンと全くの同点だ。

ダンブルドアが手を上げると、広間の中が少しずつ静かになった。





「勇気にもいろいろある」





ダンブルドアはほほえんだ。






「敵に立ち向かっていくのにも大いなる勇気がいる。しかし、味方の友人に立ち向かっていくのにも同じくらい勇気が必要じゃ。そこで、わしはネビル・ロングボトム君に一〇点を与えたい」






またも大きな歓声が、グリフィンドールのテーブルから湧き上がった。ハリー、ロン、ハーマイオニーが立ち上がって叫び、歓声をあげるのが見えた。ネビルは驚いて青白くなったが、みんなに抱きつかれ、人に埋もれて姿が見えなくなった。ネビルは、これまでグリフィンドールのために一点も稼いだことはなかった。

レイブンクローやハッフルパフすらも、スリザリンがトップから滑り落ちたことを祝って、喝采に加わっていた。嵐のような喝采の中で、ダンブルドアが声を張りあげた。





「したがって、飾りつけをちょいと変えねばならんのう」





ダンブルドアが手を叩くと、グリーンの垂れ幕が真紅に、銀色が金色に変わった。 巨大なスリザリンのヘビが消え、グリフィンドールの雄々しいライオンが現れた。スリザリン以外の寮が寮杯を獲得するのは、六年ぶりだった──





─────





──────Aは今、絶望していた。人生のどん底に突き落とされたような感覚で、突然、足が鉛のように重くなったような気がした。

原因は発表された試験の結果だ──Aは、学年で二位だった。Aの上に立つ人間が誰かなど、Aはよくわかっていた。ハーマイオニー・グレンジャーだ。






「フィオナ、試験、また学年で一位だったわね!さすがだわ!」

「そんなことないわよ、今回は運が良かっただけだもの──」

「そんなこと言って、去年も一位だったじゃない!」





談話室で騒ぐフィオナたちのグループを見つめ、Aは腸が煮えくり返るような思いだった。試験の結果が記された用紙を固く握りしめて、Aは談話室を出るために肖像画の穴の方へと歩いたが、そこでフレッドとジョージに遭遇した。





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(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です! (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年6月16日 2時

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