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「ふざけるな──お前たちが先に私と関わるのをやめたくせに──」

「やめたわけじゃないよ。ただ、俺たちがあの時話しかけても逆効果だと思って、様子を見ていただけだ。でも最近の君はやつれて、ずっと元気がない──だから心配してるんだよ」

「お前たちが、どうして私のことなんて気にするんだ?」





Aがぎゅっと汗ばんだ手で握りこぶしを作った。






「お前たちには、関係ない! 私がどれだけやつれていようと、周りから軽蔑されようと、お前たちに影響があるわけじゃない──」

「関係あるよ」

「だから、どうして──」

「友達だからだよ」





Aは赤い瞳を見開き、双子を見つめて一瞬固まった。しかしすぐに口角をひきつらせながら笑った。






「笑えない冗談だ……誰が、お前たちと、友達だって──?」

「少なくとも俺達は、君のことを友達だと思ってるよ」

「お前たちの友達は、私じゃない! フィオナだろ!」





Aはそこまで言って、何かに気がついたようにハッとした。それから双子を見つめ、歯を食いしばった。





「は、分かったぞ……お前たち、フィオナに言われて来たんだな!そうだろ!」





双子が少し表情を変えたのを見て、Aはそれが図星だったに違いないと思った。心臓を針でチクチク刺されているような痛みがして、Aは頭が痛くなった。






「私と好き好んで友達になるやつがいないことくらい、自分でよくわかってる! 騙されたりしない──大方フィオナがまたいつものお節介を働かせて、私のことを気にかけたから──だからお前たちが来たんだろ! フィオナ(あいつ)が直接私に話しかけたって、私に逆効果だってわかってたから!」

「確かに、フィオナに君のことを気にかけてほしいとは頼まれた」





フレッドが認めた。Aはますます逆上して、唇を噛んだ。あまりに強い力で噛んだので、唇に血が滲んだ。それを見たジョージが何か言いたそうに口を開きかけたが、閉じた。





「だけど、それだけが理由じゃない。もちろん君のことを気にかけてはいたけど、俺達は本当に君と仲良くなりたかったんだよ」





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(プロフ) - あんみつさん» ここの二人を複雑な関係性にしたかったので嬉しいです…🩷💖ありがとうございます😭😭💓 (7月3日 17時) (レス) @page50 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - フィオナが悪い子じゃないのはわかるけど夢主ちゃんの気持ちを思うとスッゴくもやもやする〜!!でもこのモヤモヤが最高です! (7月3日 16時) (レス) @page43 id: 8881878887 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - kokonaさん» ひゃぁ〜ありがとうございます…💕💕可愛く書けてたら嬉しいです‼️😭😭🩷🩷 (7月3日 5時) (レス) @page46 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - ヒロインちゃん可愛すぎる……大好きです😭 (7月1日 23時) (レス) @page32 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぽてとさん» 初コメありがとうございます‼️💕ひゃー嬉しいです😭🩷🩷ありがとうございます🩷🩷がんばります‼️‼️‼️‼️😭😭😭🩷🩷 (6月29日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年6月16日 2時

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