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廊下の端まで来たとき、城全体が揺れた。大きな花瓶が、爆弾の炸裂するような力で台座から吹き飛ばされた。先生たちや騎士団のメンバーがかけた呪文より破壊的で不吉な呪いが、城をとらえたのだろう。
また曲がり角を曲がったとき、Aはようやく、そこに見覚えのある彼らの姿を見つけた。
「ハリー!ロン!ハーマイオニー!オリー!」
ちょうど、ハリーも彼らと合流したばかりだったらしい。
「いったい、どこに消えていたんだ?」
ハリーが怒鳴った。
「『秘密の部屋』」
ロンが答えた。
「秘密の――えっ?」
三人の前でよろけながら急停止して、ハリーが聞き返した。
「ロンなのよ。全部ロンの考えよ!」
ハーマイオニーが、息を弾ませながら言った。
「とってもすごいと思わない? あなたが出ていってから、私たちあの『部屋』に残っていて、私がロンに言ったの。ほかの分霊箱を見つけても、どうやって壊すの? まだカップも片付けていないわ! そう言ったの。そしたらロンが思いついたのよ! バジリスク!」
「いったいどういう――?」
「分霊箱を破壊するためのものさ」
ロンがさらりと言った。 ハリーが、ロン、ハーマイオニー、オリーが両腕に抱えているものに目を落とし、それが死んだバジリスクの頭蓋からもぎ取った巨大な曲がった牙だと気づいた。
「でも、どうやってあそこに入ったんだ?」
ハリーは、牙とロンを交互に見つめながら聞いた。Aも頷いた。
「そうだ。蛇語を話さなきゃならないのに」
「話したのよ!」
オリヴィアが囁くように言った。
「ロン、ハリーにやってみせて!」
ロンは、恐ろしい、喉の詰まるようなシューシューという音を出した。
「君がロケットを開けるとき、こうやったのさ」
ロンは申し訳なさそうに言った。
「ちゃんとできるまでに、何回か失敗したけどね、でも」
ロンは謙遜して肩をすくめた。
「僕たち、最後にはあそこに着いたのさ」
「ロンはす ーばらしかった!」
ハーマイオニーが言った。
「すばらしかったわ!」
「それで……」
何とか話に追いていこうと努力しながら、ハリーが促した。
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ササミ - 素敵な作品をありがとうございます。この作品を楽しみに過ごしておりました😊キャラへの解像度が高く、この世界が存在すると錯覚するほど引き込まれました!難しい事は承知ではありますがr18の公開も心待ちにしております🙇♀️ (4月30日 23時) (レス) id: d357fa134f (このIDを非表示/違反報告)
名無し18156号(プロフ) - すごくすごく面白かったです!!このお話が日々の生き甲斐でした😭😭本当に素晴らしい作品をありがとうございます!! (2月16日 23時) (レス) @page50 id: 83faa383a3 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - 初めて感想書きます!本当に面白かったです😭原作にリスペクトを感じるし後半なんてローリング先生が書いてる?!と思うくらいでした。R 18めちゃ楽しみにしてます!笑 (2月7日 22時) (レス) id: 0dcec4387c (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - urakr396さん» ありがとうございます!アワーッ過去作から……嬉しいです………ありがとうございます😭😭🙏更新頻度は年々落ちてしまっているのですが、頑張ります…🎶 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - Konono19さん» ありがとうございます…!!R18のほうはなかなか公開できずにいるのですが、たぶん…そのうち…!!!!😭こちらこそ、長いのに見てくださってありがとうございます🙏🙏 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2023年6月7日 23時