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「――次々に『死喰い人』がやって来た――そして、スネイプが――それで、スネイプがやった。『アバダ ケダブラ』を」
ハリーはそれ以上続けられなかった。マダム・ポンフリーがワッと泣き出した。誰も校医のポンフリーに気を取られなかったが、ジニーだけがそっと言った。
「シーッ! 黙って聞いて!」
マダム・ポンフリーは嗚咽を呑み込み、指を口に押し当ててこらえながら、目を見開いた。暗闇のどこかで、不死鳥が鳴いていた。はじめて聞く、恐ろしいまでに美しい、打ちひしがれた嘆きの歌だった。校庭を横切り、城の窓を貫いて響き渡っていた。全員がその場に佇んで、歌に聞き入った。
どのくらいの時間が経ったのだろう。病棟の扉が再び開いたときには、ずいぶん長い時間が経ったような気がした。マクゴナガル先生が入ってきた。みんなと同じように、マクゴナガル先生にも戦いの痕が残り、顔がすりむけ、ローブは破れていた。
「モリーとアーサーがここへ来ます」
その声で音楽の魔力が破られた。全員が夢から醒めたように、再びビルを振り返ったり、目をこすったり、首を振ったりした。
「ハリー、何が起こったのですか? ハグリッドが言うには、あなたが、ちょうど――ちょうどそのことが起こったとき、ダンブルドア校長と一緒だったということですが。ハグリッドの話では、スネイプ先生が何かに関わって――」
「スネイプが、ダンブルドアを殺しました」
ハリーが言った。一瞬ハリーを見つめたあと、マクゴナガル先生の体がぐらりと揺れた。すでに立ち直っていたマダム・ポンフリーが走り出て、どこからともなく椅子を取り出し、マクゴナガルの体の下に押し込んだ。
「スネイプ」
椅子に腰を落としながら、マクゴナガル先生が弱々しく繰り返した。
「私たち全員が怪しんでいました……しかし、ダンブルドアは信じていた……いつも……スネイプが……信じられません……」
「スネイプは熟達した閉心術士だ」
ルーピンは、似つかわしくない乱暴な声で言った。
「そのことはずっとわかっていた」
「しかしダンブルドアは、スネイプは誓ってわたしたちの味方だと言ったわ!」
トンクスが小声で言った。
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鵲(プロフ) - ウルさん» ワッ…‼️ありがとうございます😭🙏💖💖徹夜で…嬉しいです…がんばります😭🙏💓 (2023年5月9日 2時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 神崎さん» 通知を見逃しており返信遅れてすみません‼️😭ありがとうございます!😭😭💓💓 (2023年5月9日 2時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 長い間このような素晴らしい作品を探していたのだと思います。映画ではなく本の内容で、ストーリーに忠実に、話を歪めることなく文才溢れる作者さんを。昨日の昼から徹夜で一気読みしました。応援しています。 (2023年5月6日 20時) (レス) id: 17e5f8d5e9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - シリアスなストーリーの中、少しでも双子との会話が心温まります😊 (2023年4月16日 17時) (レス) @page43 id: 225664e10d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2023年4月16日 2時