1009 ページ9
、
「ありがと」
ハリーは顔に手を触れて、きれいになったのを感じながら言った。
「鼻はどんな感じ?」
「普通よ。あたりまえでしょう? ハリー、何があったの? 死ぬほど心配したわ!」
「あとで話すよ」
ハリーは素っ気なく言った。 ジニー、ネビル、ディーン、シェーマスが聞き耳を立てているのに、ちゃんと気づいていたのだ。グリフィンドールのゴーストの「ほとんど首無しニック」まで、盗み聞きしようと、テーブルに沿ってふわふわ漂っていた。
「でも――」
「いまはだめだ、オリー」
ハリーは、意味ありげな暗い声で言った。それからロンの前に手を伸ばして、チキンの腿肉を二、三本とポテトチップスをひとつかみ取ろうとしたが、取る前に全部消えて、代わりにデザートが出てきた。
「とにかくあなたは、組分け儀式も逃してしまったしね」
ロンが大きなチョコレートケーキに飛びつくそばで、ハーマイオニーが言った。
「帽子は何かおもしろいこと言った?」
糖蜜タルトを取りながら、ハリーが聞いた。
「同じことの繰り返し、ええ……敵に立ち向かうのに全員が結束しなさいって」
「ダンブルドアは、ヴォルデモートのことを何か言った?」
「まだよ。でも、ちゃんとしたスピーチは、いつもご馳走のあとまで取っておくでしょう?もうまもなくだと思うわ」
「スネイプが言ってたけど、ハグリッドが宴会に遅れてきたとか――」
「スネイプに会ったって? どうして?」
ケーキをパクつくのに大忙しの合間を縫って、ロンが言った。
「偶然、出くわしたんだ」
ハリーが言った。
「ハグリッドは数分しか遅れなかったぞ」
Aが糖蜜パイを取りながら言った。
「ほら、ハリー。こっちに手を振ってる」
ハリーは教職員テーブルを見上げ、まさにハリーに手を振っていたハグリッドに向かってニヤッとした。ハグリッドは、マクゴナガル先生のような威厳ある振舞いができたためしがない。ハグリッドの隣に座っているグリフィンドール寮監のマクゴナガル先生は、頭のてっぺんがハグリッドの肘と肩の中間あたりまでしか届いていない。
そのマクゴナガル先生が、ハグリッドの熱狂的な挨拶を咎めるような顔をしていた。
、
193人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃ(プロフ) - 更新ありがとうございます‼️ (2023年3月12日 22時) (レス) @page50 id: 48ff4ca391 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - Aliceさん» 前作も読んでいただきありがとうございます…!😭更新が遅くなりお待たせしてしまっていて申し訳ないです…😭ありがとうございます…!😭 (2023年3月9日 23時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 先日前作を読み終えたばかりなのですが、今作もあっという間に最後の更新の所まで追いついてしまいました!ご多忙と思いますが落ち着きましたらまた更新楽しみにお待ちしております✨ (2023年3月7日 9時) (レス) id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 神崎さん» ありがとうございますー!!😭😭😭😭🙏🙏🙏💕💕💕 (2023年2月24日 4時) (レス) @page5 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新ありがとうございます! (2023年2月17日 6時) (レス) @page5 id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鵲 | 作成日時:2023年2月16日 8時