411 ページ11
、
グリフィンドール塔にたどり着いた。入口は、ピンクの絹のドレスを着た「太った婦人」の大きな肖像画の後ろに隠れている。みんなが近づくと、肖像画が問いかけた。
「合言葉は？」
「ボールダーダッシュ」
ジョージが言った。
「下にいた監督生が教えてくれたんだ」
肖像画がパッと開き、背後の壁の穴が現れた。全員よじ登って穴をくぐった。円形の談話室には、ふかふかした肘掛椅子やテーブルが置かれ、パチパチと燃える暖炉の火で暖かかった。
ハーマイオニーとオリヴィアは「おやすみなさい」と挨拶して、女子寮に続く廊下へと姿を消した。
「じゃあA、また明日な」
「………うん。おやすみ」
二人を不安げに見つめるAに、ジョージは薄く微笑み、小さい子供を宥めるように頭をなでた。
「まったく、Aは心配性だな」
「そりゃ、誰だって心配になるだろ！」
Aは不満げな顔でジョージの手を振り払った。
「二人は、私のこと子供扱いしてばっかりだ！」
「子供扱いなんかしてないって、いつも言ってるだろ？」
「でも、でも……」
Aがぐっと唇を噛んだ。フレッドがふっと笑った。
「ばかだな、Aは」
「なっ──、」
Aが顔を上げた途端、フレッドの唇が重なった。
「っ、フレ、んんーっ」
Aが一歩、二歩と後ろに後ずさっていくと、やがてガタンと音がして近くのテーブルに体がぶつかった。
フレッドはAの手をそこに押さえつけるようにして掴んだ。
「っ、フレッド、んーっ」
「俺の目ちゃんと見て」
フレッドの薄く開かれた瞳で目が合い、Aはすぐにまたぎゅっと目を瞑った。
絡められた舌が熱を帯びて頭が痺れていく。ドクンドクンとうるさく鳴る心臓の音は、密着しすぎて、どちらのものかわからなかった。
「んやっ、あ…っ、は、んんっ」
「A、」
「あ、じ、ジョージ！ジョージ、助けてくれ！」
フレッドの肩越しに見えるジョージに助けを求めると、ジョージはこちらに寄ってきた。
「おいフレッド、がっつきすぎだ」
ジョージがフレッドの肩を掴み制止すると、フレッドは渋々唇を離した。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 819人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mp0623(プロフ) - 最後の一文に「マジで？」って反射的に声が出ました…！ (2022年2月3日 5時) (
レス) @page50 id: 2d647e4096 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 鬼木天蓼さん» わー！！！前作も見てくださってありがとうございますーー！！！わーん楽しみにしていただけて嬉しすぎます😭💗💗💗ありがとうございます！！がんばりますーー！！！ (2022年1月29日 22時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - Maryさん» ギャーーー！！誤字です意味分かんない誤字してて申し訳ないですうわー！！なにこれ恥ずかしい😭😭😭😭😭ありがとうございます！！！ (2022年1月29日 22時) (レス) @page22 id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鬼木天蓼(プロフ) - 鵲さん初コメ失礼します！前作の「愛憎のフィナーレ｣も今回のシリーズも最高です！男勝りな夢主ちゃん可愛すぎて好きです!! 鵲さんのこの小説が最近の私の楽しみです!!!!素晴らしい小説ありがとうございます！！！！応援してます！！ (2022年1月29日 21時) (レス) @page37 id: 6acfa79450 (このIDを非表示/違反報告)
Mary(プロフ) - 22ページの教科書の名前は誤字ですか？！ (2022年1月29日 15時) (レス) @page22 id: de57741303 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2022年1月19日 2時
