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「なんでこんなことになるんだ?」
Aは医務室のベッドに横になっていた。今の今まで眠っていたようだ。徐々に覚めていく意識の中で、聞き覚えのある声が左右から耳に入って来た。
「トイレに行くって言ったAが数時間戻ってこないと思えば、腕を折って、貧血の状態で医務室に運ばれてきた」
「ああ。どれだけ考えても分からない」
深刻な顔の二人が、Aを挟んで向かい合い、話をしていた。Aは目を開くと、ベッドに置かれていたフレッドの手を見つめ、その袖をぎゅっと握った。
「A!」
フレッドはAを呼んだ。ジョージもAが目を覚ましたことに気づき、椅子から立ち上がってAの顔を覗いた。
「気分はどうだ?大丈夫か?」
「うん……大丈夫だ。それよ。二人とも、どうしてここにいるんだ?」
時刻は真夜中が近かった。
「俺達、Aの帰りが遅いから、マクゴナガルのところに行ったんだ。それからしばらく、談話室でAのことを待ってた。それでさっき、マクゴナガルが来て──Aが医務室に運ばれたことを教えてもらった。それで、この時間にAの様子を見に行くことについても、特別に許可を出してくれたんだ」
ジョージが言った。
「…心配したんだぞ」
フレッドは少し怒っているようだった。
「俺達に嘘をついて外に出るなんて!あんまりじゃないか!しかも、ブラックに遭遇したんだろ!その傷も、ブラックにやられたんだろ──」
「ちがう、これは暴れ柳にぶつかったんだ」
Aは体を起こし、腕を見つめながら言った。
「暴れ柳だって───!?」
「Aのそのか弱い腕に、あの太枝が当たったっていうのか!?とんでもない!A、体を起こすな。休め──動くなよ!」
フレッドとジョージは驚いて声を上げ、マダム・ポンフリーに静かにしろと忠告を受けた。
「シリウスは無事なのか?」
「無事!?なんで殺人犯の心配なんかしてるんだ? 奴なら、もうすぐディメンターのキスが実行される。さっき先生が話してるのを聞いたんだ」
「えーっ!」
その時声がした。フレッドが振り向きカーテンを開けると、ハリー、ハーマイオニー、オリヴィアの三人がベッドから飛び降りていた。
「無事だったんだ!よかった──」
Aが安堵した。しかし三人は、それどころではなかったようだ。
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鵲(プロフ) - あいうえおさん» わー!本当だ!ありがとうございます!!😭😭 (2022年1月17日 0時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あの…368の部分が568になってますよ (2022年1月16日 23時) (レス) id: 20e12b7e66 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 檸檬さん» わー!こちらこそありがとうございますー!ドラコとの絡みも入れて行きたいなと思っているのでがんばりますー!✊🏻✊🏻 (2022年1月16日 19時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - もう8出していただいたんですか?!ありがとうございます!!💕😻ドラコも好きなので鵲さんが出来るかぎりで主人公ちゃんと絡ませてくれると嬉しいです‼︎応援してますっ!✨ (2022年1月16日 19時) (レス) @page29 id: 96c1ce7e45 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 犬好きさん» わー!ありがとうございますー!!😭💕💕モチベ爆上がりですー!!😭💕 (2022年1月16日 17時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2022年1月16日 8時