寂寞のアイソレーション６

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翌日、クリスマス休暇のため家に帰省する生徒たちで、汽車は賑わっていた。Aがトランクをひきながら通路を歩いていると、フレッドとジョージがコンパートメントから顔を覗かせた。






「A！おはよう。席取ってあるぜ。来いよ」

「おはよう、うん、ありがとう」







二人のコンパートメントに入ると、ささっとジョージがAのトランクを持ち上げ、荷物棚に乗せた。







「今日は冷えるな。外、寒くなかったか？」

「うん、ちょっと寒かった」







席に座りながらAが頷くと、フレッドはAのかじかんだ手を握って温めた。

汽車が走り出し、ホグワーツの雪景色が遠のいていくのを見ながら、ジョージがため息を吐いた。







「あー、Aに会えないのがつらい」

「それ、もう何回も聞いたぞ」






Aが笑った。






「だって、本当に辛いんだぞ。あーあ。Aがうちに泊まりに来れれば……」

「私も、そうできたらいいのにっていつも思ってるよ」







Aが苦笑すると、ジョージはまたため息を吐いて、Aのもう片手を握った。







「メリークリスマス、A。それから、誕生日おめでとう」

「………うん。ありがとう」

「誕生日プレゼントは何がいい？」

「うん……ハグしてくれ」






Aが言うと、ジョージはぎゅっとAを抱きしめた。







「本当にこんなのでいいのか？俺は良くないぞ」

「物欲はそんなにないんだ。こっちのほうが、ずっと嬉しいよ」

「ふーん」






ジョージは腕を離すと、Aと鼻を擦り合わせた。






「じゃあ、サービスでキスもしてあげるよ」

「えっ、それは──んぐっ」







有無を言わせないキスにAが慌てふためいた。






──────







「まあまあ、A！メリークリスマス。久しぶりね」






汽車が駅に着くと、子どもたちのお迎えに来たモリーがAにハグをした。まだAの両親は到着していないようだった。







「モリーおばさん、こんにちは」

「そうそう、あなたにクリスマスプレゼントを渡したくてね──」






モリーはごそごそと荷物の中を漁ると、一着のセーターを取り出した。






「あなたにはちょっと安っぽいかもしれないけど──気に入ってくれるかしら？」






Aは受け取ったセーターを見つめながら固まっていた。






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