193 ページ43
、
グリフィンドール生を先に行かせ、二人は脇の通路を駆け下るところを、Aは見た。彼らが一体どこに行こうとしているのか気になって仕方なかったAは、キョロキョロとあたりを見回したあと、二人の後を追った。
「なあ、どこに行くんだ？次の授業のクラスはあっちなのに……」
Aが二人を呼び止めると、二人が振り向いた。
「君、どうしてここにいるんだい？」
「ご、ごめん。二人が別の方に行ったから、心配で」
二人は顔を見合わせると、ゴニョゴニョ何かを話し合った。
「気にしなくていいよ。僕達ちょっと用事があるんだ……さあ、早く行ってくれ。大丈夫だから」
「ポッター！ ウィーズリー！ウィータ！何をしているのですか？」
その時、マクゴナガル先生が、これ以上固くは結べまいと思うほど固く唇を真一文字に結んで立っていた。
「僕たち──僕たち──」
ロンがモゴモゴ言った。
「僕たち、あの──様子を見に──」
ハリーはちらっとロンとAを見たあとに、続けた。
「ハーマイオニーと、オリーの」
ロンもAも、マクゴナガル先生も、ハリーを見つめた。
「先生、もうずいぶん長いことあの二人に会っていません。だから、僕たち、こっそり医務室に忍び込んで、それで、二人にマンドレイクがもうすぐ採れるから、だから、あの、心配しないようにって、そう言おうと思ったんです」
マクゴナガル先生はハリーから目を離さなかった。先生の声は奇妙に嗄れていた。
「そうでしょうとも」
先生のビーズのような目に、涙がキラリと光った。
「そうでしょうとも。襲われた人たちの友達が、一番辛い思いをしてきたことでしょう……。よくわかりました。ポッター、もちろん、いいですとも。ミス・グレンジャーとミス・キャンベルのお見舞いを許可します。ビンズ先生には、私からあなたたちの欠席のことをお知らせしておきましょう。マダム・ポンフリーには、私から許可が出たと言いなさい」
マクゴナガル先生はぽかんとしていたAを見た。
「ミス・ウィータ、あなたももちろん許可します……図書室でよくミス・グレンジャーと勉強をしているのを、私はちゃんと見ていましたよ」
Aは目をぱちくりさせた。
角を曲がった時、マクゴナガル先生が鼻をかむ音が、はっきり聞こえた。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 739人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鵲(プロフ) - あいさん» わー！！ありがとうございますーー！！😭😭💓 (2021年12月12日 20時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - このお話大好きです！応援してます！ (2021年12月12日 4時) (レス) id: fc16481cf6 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - みゆさん» わー！！！前作から！！ありがとうございます！！😭😭😭💖💖嬉しいです、、！！！！更新頑張りますーー！！！！ (2021年12月10日 0時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 前作の方から知って、この作品も楽しませていただいています！鵲さんの書き方すごく好きです。これからも楽しみに待ってます！頑張ってください💪 (2021年12月9日 8時) (レス) @page22 id: c8945715f5 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - ぺでぃさん» はじめまして！わわわわ！！前作もみてくださりありがとうございます😭😭嬉しいです！！ありがとうございますーー！！更新頑張ります！！ (2021年12月8日 23時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月31日 19時
