寂寞のアイソレーション３ (ページ7)

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「それは……、」

Aがモゴモゴするのを見て、二人は少し眉をひそめた。

「言えない理由があるのか？」

そんなものはなかった。ただ、どう説明すればいいのか分からなかった。Aが焦りながら二人の顔を見回してからまた黙って俯くと、フレッドが息を吐き、頭をガシガシと掻いた。

「分かったよ。嫌なら無理には聞かないから」

なんだか少し不機嫌そうな声色だった。Aがびくっと肩を揺らしてフレッドを見上げると、フレッドはAを見つめて悲しそうに眉を下げた。

「そんな顔させたかったわけじゃない」

Aはそこで、二人を傷つけてしまったことに気づいたが、もう遅かった。二人はAの横を通り過ぎて図書室を出ていった。Aは二人を呼び止めようとしたが、Aが図書室の扉から廊下に出たときには、すでに二人の姿はなかった。

図書室に戻ったAは俯いて、また椅子に座った。もやもやした気持ちを誤魔化すように、また羽ペンを手にして、羊皮紙を見つめた。

──いや、これでよかったのかもしれない。二人といるとどうも集中できないのは確かだった。少し二人と距離を置けば、また前みたいに普通に話せるようになるかもしれない……だけど、

「(だけど、もし、二人がもう口を利いてくれなかったらどうしよう)」

ぽたぽたと羊皮紙に涙が落ちた。Aはごしごしとそれを拭い、また課題をしようと懸命に課題に向かったが、どうしても涙が溢れてくる。Aは目元を擦って、ぐす、と鼻を啜った。

「………何かあったの？」

その時、後ろから声がして、Aはハッとして顔を上げた。そこに立っていたのはハーマイオニーだった。

──────

ハーマイオニーは、例の「秘密の部屋」が何なのか、図書室で手がかりを探していた。「ホグワーツの歴史」が全て貸し出されていて、あと二週間は予約いっぱいなようだ。

手がかりが見つからずため息を吐きながら図書室を歩いていたハーマイオニーは、近くでAが泣いているのを見た。

「(別に、あの子が泣いてるからって何よ。私には関係ないじゃない)」

ハーマイオニーはそう自分に言い聞かせたが、どうしても彼女が気になって、ちらちらそちらを見てしまった。

「……何かあったの？」

ついに声をかけると、目を赤くしたままのAが顔を上げて振り向いた。

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