寂寞のアイソレーション３ (ページ48)

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「せっかく二人と一緒に過ごせる休暇だったのに……」

しばらくして、朝食を食べ終えたあと、Aは悲しそうに目に涙を浮かべて、膝に顔を埋めた。

「泣くなよ。Aが風邪でもなんでも、俺達そばにいてやるから」

ジョージが苦笑しながらAに言うと、Aは窓の外の雪景色を眺めて寂しそうにぼんやりした。

ジョージは腕を伸ばした。

「おいで、A」

Aは顔を上げてジョージを見ると、ゆっくりジョージの方に寄った。ジョージはAをぎゅっと抱きしめた。

「雪で遊ぶのはもちろん楽しいだろうけど、部屋の中でゆっくりするのも悪くないだろ」

とんとんとAの背中を一定のリズムであやすように叩きながらジョージが言った。Aはうん、と頷いて、ジョージの胸板に顔を埋めた。

Aが咳き込むと、ジョージは背中を擦った。

「体温めとかないとな」

近くの毛布を手繰り寄せてAの肩に掛けてやりながらフレッドが言った。

「何かほしいものあるか？」

「ううん…」

Aはジョージから体を離して首を横に振ると、二人の顔を見回して、少し遠慮がちに眉を下げながらゴニョゴニョした。

「でも…」

「うん？」

二人はAの顔を覗き込みながら優しく聞いた。Aが小さく言った。

「そばにいてほしい」

Aの言葉に二人はぽかんとしたあと、一瞬天を仰いで、それからAを抱きしめた。

「もちろん、ずっとここにいるぞ」

「かわいいな、Aは」

Aは顔を真っ赤にしてぐっと唇を噛んだ。フレッドがAの頭をわしゃわしゃと撫でて愛おしそうに笑った。

「今日はゆっくり休んだほうがいい」

ジョージはAをベッドに横にさせながら微笑んだ。
もぞもぞと毛布の中から手を出して、Aはベッドのシーツの上をまさぐった。

「どうしたんだ？」

「手……ぎゅってしたい」

「ああ」

ジョージはAの手を取りぎゅっと握った。フレッドがAの頭にもう一度手を置いた。

「どこか痛いところあるか？頭とか」

「頭は平気だけど、喉がいたい…」

「風邪だもんな」

フレッドは微笑んで、それから上体を少し倒し、Aの唇に軽く口付けた。Aが驚いて少し声を上げ、それから顔を真っ赤にして、少し不満そうな顔をした。

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