寂寞のアイソレーション３ (ページ47)

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「A、舌だして」

「ん…ぅ、……え…？」

唇を離したフレッドの突然の言葉に、Aはキョトンとした。

「………ん、こ、こう、か？」

そろそろとAが舌を出した。フレッドはニヤッとして、同じように舌を出し、Aの舌を絡め取ろうとした。その時、後ろからジョージがやってきてフレッドの頭をひっぱたいた。

「イッテェ！」

「何してんだ、このバカチン」

ジョージはフレッドを押しのけてAの顔をのぞき込んだ。

「A、だめだぞ、フレッドの言うことを簡単に聞いたら」

ぽかんとしているAの頭をなでたジョージはその額に冷したタオルを乗せた。

「んっ、つ、冷たい」

「熱下がるといいけど……」

ジョージはベッドの上に腰掛けると苦笑した。

「ジョージ、手……」

「うん？」

「手、ぎゅってしてくれ」

ベッドに置かれたジョージの手に触れ、ぎゅっと掴むAを見て、ジョージが微笑んだ。Aの手を取ると指を絡めてぎゅっと握った。

「眠れそうか？」

「…うん」

「おやすみ、A」

Aの頬に口付けをしながらジョージが囁いた。直後、だんだんうとうとしてきて、Aはそのまま眠りに落ちた。

──────

「ん、」

額に手のひらが触れる感覚で目を覚ましたAは、薄らと目を開いた。目の前には、Aの顔を覗き込むジョージの顔があった。

「おはよ」

「うん、おはよう…」

Aが目元を擦りながら起き上がった。もう熱はなかったが、風邪の症状は続いているようだった。

「熱はないみたいだけど、寝てる間も何回か咳してたな」

ジョージがAの頭を撫でながら言った。ちょうど、フレッドが部屋に戻ってきた。手にはサンドイッチやら何やらを持っている。大広間から失敬してきたに違いない。

「おはよ、A」

フレッドはAの額に口付けてそう言うと、ベッドに腰掛けて、Aに食べ物を手渡した。

「食べれそうか？」

「うん。ありがとう」

Aがそれを受け取って礼を言うと、フレッドはにっこりした。

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