寂寞のアイソレーション３ (ページ44)

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「Aは手がちっちゃいから小さい雪玉しか作れないんだな」

フレッドがニヤニヤしながら隣で雪玉を作っているAに言うと、Aはすこしむっとした。

「フレッド、今ばかにしただろ！」

「してないぞ。ただちっちゃい雪玉しか作れないAが可愛──」

ぼふっとフレッドに雪玉が当たった。フレッドはうわーと悲鳴を上げたがすぐにくすくす笑った。

「雪玉がちっちゃすぎて全然痛くないな」

ショックを受けるAに代わってジョージが雪玉を投げつけてやると、フレッドが今度こそ本気の悲鳴を上げたので、Aが笑った。

「二人は手がおっきくていいな」

Aは自分より遥かに大きい雪玉を作っている二人に言った。自分の手と二人の手を見比べながら、Aが言った。

「二人の手はたくましいな」

「そうか？」

「うん。ゴツゴツしてる」

Aはフレッドの手を取って甲に触れながら微笑んだ。

「私もおっきい手が良かったな」

「俺はAの手好きだぞ」

「ちっちゃい雪玉しか作れないじゃないか」

「おいおい、雪玉を作ることだけが全てじゃないだろ」

フレッドはケラケラ笑った。

「くしゅん！」

その時、Aがくしゃみをしたので、フレッドとジョージは雪玉を作る手を止めた。

「体冷えちゃったか」

雪玉を崩して立ち上がった二人に続いて、Aも立ち上がった。

「そろそろ談話室に戻るか。風邪引くと大変だからな」

「………うん」

名残惜しそうなAに、ジョージが微笑んで、Aの頭を撫でた。

「明日もここに来よう。な？」

「………うん」

Aが微笑んだ。雪のせいでベチョベチョになった手袋を外したAがかじかんだ指先を擦り合わせて温めた。

フレッドはAの手を取った。

「こうしたら温かいだろ」

フレッドがAの手を握って、大きな手で包み込むと、Aは少し照れくさそうにしながら頷いた。

「あー！俺も握る」

反対の手に触れたジョージが同じようにAの手を握った。

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