寂寞のアイソレーション３ (ページ43)

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翌朝フレッドが目を覚めたときには、Aは横にいなかった。大欠伸をしながら起き上がると、ベッドを降りたところで座り込み、ベッドに寄りかかりながら何かを書いているAがいた。

「おはよ、A」

「フレッド、おはよう」

ベッドの上からAの方へ身を乗り出しながらフレッドが言うと、Aが振り向いてにこやかに笑った。

「何してるんだ？」

「手紙書いてるんだ。ほら、贈り物の、お礼の手紙」

「ああ」

大変だな、と苦笑しながらフレッドはベッドを降りて、Aの隣に腰掛けた。

「純血の名家ばっかりだな」

すでに書き終えたらしい封筒の宛先を見ながらフレッドが言った。Aは苦笑しながら頷いた。

「内容自体は別に凝らなくていいし、お礼を述べるだけでいいから全部似たようなものなんだけど、毎年量が多いから、書くのが大変なんだ」

かりかりと羽根ペンを羊皮紙の上に走らせながら、Aが息を吐いた。

「手書きじゃないといけないのか？」

「うん」

フレッドはじっとAを見つめたあと、少し微笑んで、Aの頭を撫でた。

「これが終わったらまた外に遊びにいこうな」

その言葉を聞いたAが反応して顔を上げ、顔を輝かせて嬉しそうに「うん」と返事をした。

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「寒いな」

あの後手紙を書き終え、朝食を済ませた三人は外に出た。
雪が積もった地面を歩きながら、ジョージが身震いした。ちらっとAを見ると、鼻先を真っ赤にしていたが、昨日と同じように雪で遊べるのが嬉しいのか、きょろきょろとあたりを見回している。

「A、大丈夫か？寒くないか？」

「うん、大丈夫だ」

ジョージの言葉に力強く頷いたAはその場にしゃがみこんで、手袋越しに雪に触れた。

「いつも家の中から雪を見るだけだったから、触れるのが嬉しい」

「そっか」

ジョージはにっこりして、Aの隣にしゃがみ込み、同じように雪に触れた。その時、ジョージの襟元に雪玉が入ってきて、ジョージが悲鳴を上げながら立ち上がった。

「おい、フレッド！！」

腹を抱えて笑いながら逃げるフレッドを怒鳴りつけたジョージは、雪をかき集めて丸め、フレッドに投げつけた。フレッドがわーと悲鳴を上げながら雪玉を食らった。

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