寂寞のアイソレーション３ (ページ5)

今日:94 hit、昨日:55 hit、合計:274,835 hit

105 ページ5

、

ハロウィーンの夜、パーティーで楽しむ生徒たちの傍らで、Aは一人ため息を吐いた。こんなに美味しいごちそうが並んでいるのに、どれも食べる気にはなれなかった。それに最近はなかなか寝付けず、どうも気分が優れない。

ちらっとテーブルの少し遠くを見ると、フレッドとジョージがごちそうにありついていた。Aはまた俯いた。

結局ほとんど何も食べられないままパーティーが終わり、Aはとぼとぼ廊下を歩いていた。その前方で、廊下に人混みができていた。生徒たちはおしゃべりをやめ、立ち止まると、ガヤガヤが突然消えた。沈黙が生徒たちの群れに広がり、皆が見ている光景を前のほうで見ようと押し合った。その傍らで、ハリー、ロン、ハーマイオニー、オリヴィアが、は廊下の真ん中にぽつんと取り残されていた。

「継承者の敵よ、気をつけよ！次はおまえたちの番だぞ、『穢れた血』め！」

静けさを破ってそう叫んだのはドラコ・マルフォイだった。人垣を押しのけて最前列に進み出たドラコは、冷たい目に生気をみなぎらせ、いつもは血の気のない頬に赤みがさし、ぶら下がったままぴくりともしない猫を見てニヤッと笑った。

Aが前の方へ向かって見てみると、松明に猫がぶら下がっていた。その近くの壁に、『秘密の部屋は開かれたり継承者の敵よ、気をつけよ』と赤い文字で書かれていた。

「なんだ、なんだ？何事だ？」

マルフォイの大声に引き寄せられたに違いない、アーガス・フィルチが肩で人混みを押し分けてやってきた。猫は、ミセス・ノリスだった。フィルチの猫だ。フィルチは猫を見たとたん、恐怖のあまり手で顔を覆い、たじたじと後ずさりした。

「わたしの猫だ！わたしの猫だ！ミセス・ノリスに何が起こったというんだ？」

フィルチは金切り声で叫んだ。そしてフィルチの飛び出した目が、ハリーを見た。

「おまえだな！おまえだ！おまえがわたしの猫を殺したんだ！あの子を殺したのはおまえだ！俺がおまえを殺してやる！俺が……」

「アーガス！」

ダンブルドアが、他に数人の先生を従えて現場に到着した。素早くハリー、ロン、ハーマイオニー、オリヴィアの脇を通り抜け、ダンブルドアは、ミセス・ノリスを松明の腕木から外した。

「アーガス、一緒に来なさい。ミスター・ポッター、ミスター・ウィーズリー、ミス・グレンジャー、ミス・キャンベル。君たちもおいで」

、