寂寞のアイソレーション３ (ページ14)

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「A・ウィータだろ？」

ある日、一人で廊下を歩いていたAに、数人のスリザリン生が話しかけてきた。Aが振り向くと、スリザリン生は揃いも揃ったにやけづらで、Aを見下ろしていた。

「お前はあのウィータ家の娘でありながら、“血を裏切る者”だ。そうだろ？」

Aが困惑してスリザリン生たちを見上げた。

「この前、二年のドラコ・マルフォイに楯突いたそうじゃないか」

「だったら、な、何だ」

「この事が君のご両親の耳に入ったら、君のご両親は、今度こそ君を退学にさせるだろうな」

Aはその言葉に目を泳がせた。後ずさるAの腕を、スリザリン生の一人が掴んだ。

「大人しくついてこいよ。ちょっと俺達の言うことを聞いてくれたら、黙っててやる──」

「おい」

スリザリン生たちの後ろから声がした。

全員がそちらを見ると、フレッドとジョージがそこに立っていて、スリザリンの面々を睨みつけていた。

「その手を離せよ」

「お前には関係ないだろう！」

「あるね」

フレッドがスリザリン生の手をガッと掴み、Aから離した。

「とっとと行けよ。Aに触るな。でないと、こいつをお前の鼻にギッシリ詰め込むぞ」

ジョージが懐から糞い玉を取り出してスリザリン生を脅すと、彼らは舌打ちをして、それからその場を去っていった。

「大丈夫か？A──おっと」

フレッドがAの方を見て声をかけた瞬間、Aがフレッドに抱きついたので、フレッドは驚きつつAを受け止めた。

「A？」

「う、っひぐっ、ぅ……ご、ごめ、ごめんな、わたし、わたし……二人に、ひ、ひどいことした！」

「ひどいこと？」

泣きじゃくるAを見たフレッドはきょろきょろとあたりを見回した。廊下のど真ん中だ。生徒たちがジロジロこちらを見ていた。

「来て、A」

フレッドとジョージはAの手を引いて歩き出した。

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