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Aの母エリザは昔から厳しい。それは、父であるアーロン・ウィータも同じだったが、父は仕事でほとんど家をあけているため、あまり会ったことがなかった。
エリザはAを可愛がったが、それと同時に、言いつけを守れないと厳しい罰を下した。
冷たくて暗い地下牢に丸一日閉じ込め、反省するまで出てきてはならないと言い聞かせるのだ。Aは地下牢が嫌いだった。だから、母に叱られることがこの上なく怖かった。
「君は聖29一族の姓を把握していないのか？」
「してるよ。してるけど……」
「あいつらとは仲良くするべきじゃない」
ドラコは車内販売で買ってきた菓子を、まだ半べそのAに手渡しながら言った。Aはドラコから受け取った大鍋ケーキを見つめながら俯いた。
「穢れた血は僕達には相応しくないんだ。分かるだろう」
「………………」
Aは暗い顔をして、何も言わずに大鍋ケーキをひとくち頬張った。少し顔がほころんだのを見て、ドラコは安堵しながら聞いた。
「甘いものが好きなのか？」
「うん。あんまりたくさんは食べさせてもらえないけど……おやつによく出るんだ」
「へえ」
Aはケーキを食べ終えると少しにっこりして、ドラコの方を見た。
「ありがとう、ドラコ」
「ああ」
ドラコはこっくりと頷いてそっぽを向いた。
それからはほとんど会話もなかった。ただ通り過ぎる風景たちを眺めながら、ボーッとした。
「イッチ年生！イッチ年生はこっち！」
駅につくと、この場の誰よりも大きな図体をした半巨人の男が立っていた。ルビウス・ハグリッド。ホグワーツの番人だ。大きな髯面が生徒の頭のむこうから笑いかけた。
「さあ、ついてこいよ──あとイッチ年生はいないかな？ 足下に気をつけろ。いいか！イッチ年生、ついてこい！」
滑ったりつまずいたりしながら、険しくて狭い小道を、みんなは黙々とハグリッドに続いて降りていった。
「みんな、ホグワーツがまもなく見えるぞ。この角を曲がったらだ」
「うぉーっ！」
その瞬間、一斉に声が湧き起こった。狭い道が急に開き、大きな黒い湖のほとりに出た。むこう岸には高い山がそびえ、そのてっぺんに、壮大な城が見えた。大小さまざまな塔が立ち並び、キラキラと輝く窓が、星空に浮かび上がっていた。
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鵲(プロフ) - 秋さん» 私の趣味です…🙏🙏🙏 (1月21日 16時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
秋 - とても面白いのですが、主人公の口調が男の子っぽいのには何か理由がありますか？？ (1月21日 15時) (レス) id: fd804455da (このIDを非表示/違反報告)
椛(プロフ) - まだ初め部分しか読んでいませんが、こちらもとても面白い物語だと確信しているのですごく楽しみで、また一気読みになりそうです。こんな素晴らしい作品を作っていただきありがとうございます。 (2022年1月31日 18時) (レス) id: 6f2367cc34 (このIDを非表示/違反報告)
椛(プロフ) - 随分遅れてしまいましたが新作おめでとうございます。前作(愛憎のフィナーレ)から飛んでこの作品を見つけました。前作はとても素晴らしい作品で何度も涙ぐみながら一気読みしました。そしてそんな物語を作れる作者様の新作！ (2022年1月31日 18時) (レス) @page10 id: 6f2367cc34 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - メロンソーダさん» ありがとうございます！！わわ！！過去作も…！！ありがとうございます！うれしいでず😭😭🙏💕💕 (2021年10月20日 20時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月8日 3時
