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二度目のブラッジャーをハリーがかわし、玉が獰猛に回転しながらハリーの頭上をすれすれに通り過ぎたちょうどその時、ハリーの箒は、急に肝を冷やすような揺れ方をした。ハリーが両手と膝で箒をしっかり押さえている。まるで、箒がハリーを振り落とそうとしているみたいだった。
「スリザリンの攻撃です──クアッフルはフリントが持っています──スピネットが抜かれた──ベルが抜かれた──あ、ブラッジャーがフリントの顔にぶつかりました。鼻をへし折るといいんですが――ほんの冗談です、先生──スリザリン得点です──あーあ……」
スリザリンから大歓声が巻き起こった。ハリーの箒が変な動きをしていることに、誰も気づかないようだ。箒はハリーを乗せたまま、グイッと動いたり、ピクピクッと動いたりしながら、上へ、上へ、ゆっくりとハリーを試合から引き離していった。
やがて、異変に気づいた観客があちこちでいっせいにハリーの方を指さした。箒がぐるぐる回りはじめたのだ。ハリーは辛うじてしがみついている。次の瞬間、全員が息を呑んだ。箒は荒々しく揺れ、ハリーを振り飛ばしそうだ。いまやハリーは片手だけで箒の柄にぶら下がっている。
「フリントがぶつかった時、どうかしちゃったのかな？」
「そんなこたぁない。強力な闇の魔術以外、箒に悪さはできん。チビどもなんぞ、ニンバス ２０００にはそんな手出しはできん」
Aが座っている席から少し離れたところで、ハグリッドとシェーマスが話しているのが聞こえた。ハグリッドの声はブルブル震えていた。ハリーの箒は激しく震え、ハリーもこれ以上つかまっていられないようだった。観客は総立ちになって、恐怖で顔を引きつらせて見ていた。
双子のウィーズリーがハリーに近づき、自分たちの箒に乗り移らせようとしたが、だめだった。近づくたび、ハリーの箒はさらに高く飛び上がってしまう──双子は、今度はハリーの下で輪を描くように飛びはじめた。落ちてきたら下でキャッチするつもりらしい。マーカス・フリントはクアッフルを奪い、誰にも気づかれず、五回も点を入れた。
「ネビル、もう見ても怖くないよ！」
しばらくすると突然、ハリーの箒の暴走が収まった。ハリーが箒に跨り、また急降下した。この五分間、ハグリッドのジャケットに顔を埋めて泣きっぱなしだったネビルに、ロンが話しかけていた。
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鵲(プロフ) - 秋さん» 私の趣味です…🙏🙏🙏 (1月21日 16時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
秋 - とても面白いのですが、主人公の口調が男の子っぽいのには何か理由がありますか？？ (1月21日 15時) (レス) id: fd804455da (このIDを非表示/違反報告)
椛(プロフ) - まだ初め部分しか読んでいませんが、こちらもとても面白い物語だと確信しているのですごく楽しみで、また一気読みになりそうです。こんな素晴らしい作品を作っていただきありがとうございます。 (2022年1月31日 18時) (レス) id: 6f2367cc34 (このIDを非表示/違反報告)
椛(プロフ) - 随分遅れてしまいましたが新作おめでとうございます。前作(愛憎のフィナーレ)から飛んでこの作品を見つけました。前作はとても素晴らしい作品で何度も涙ぐみながら一気読みしました。そしてそんな物語を作れる作者様の新作！ (2022年1月31日 18時) (レス) @page10 id: 6f2367cc34 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - メロンソーダさん» ありがとうございます！！わわ！！過去作も…！！ありがとうございます！うれしいでず😭😭🙏💕💕 (2021年10月20日 20時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月8日 3時
