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「美味いか？」
菓子を食べるAの顔をにこにこしながら覗き込むフレッドに、Aが「うん」と答えて笑った。
「こんなにたくさん甘い物を食べたのは、ここに来てからが初めてだよ！」
「そっか」
Aが嬉しそうにそう言うとフレッドは微笑ましそうな顔をして、Aの口元についたクリームを拭った。Aは恥ずかしくなって顔を赤くした。口元にクリームをつけるなんて、厳格な母に見られたらただじゃすまないだろう。
「これもらってもいいかしら？」
「ああ。もちろん」
フレッドたちの前にあったテーブルに並べられたお菓子の山からいくつかを取ったハーマイオニーが、遠くにいたオリヴィアにそれを手渡した。Aは、自分がここにいるからオリヴィアが近寄りたがらないことを察すると、申し訳なくなった。
最後のケーキを口に入れて飲み込むと、Aは立ち上がった。
「私、そろそろ寝る」
「もう寝るのか？」
「うん。眠たくて」
「そっか」
フレッドやジョージがにっこりして、Aに手を振った。
「おやすみ」
その言葉にAもおやすみと返した。リーがケーキを口いっぱいにほお張って、モゴモゴしながら「おやふみ！」と言った。Aは階段を登りながら、先程いたフレッドたちの方をちらっと見た。オリヴィアがすぐにフレッドたちのいるほうへ近づき、お菓子を手に取るのが見えた。
これでいいんだ。オリヴィアが、自分のせいでパーティーを楽しめないくらいなら、私はいなくなったほうがいい──
Aは前を向き、まだ誰もいない女子寮へと入った。
─────
十一月に入り、とても寒くなった。学校を囲む山々は灰色に凍りつき、湖は冷たい鋼のように張りつめていたし、校庭には毎朝霜が降りた。
クィディッチ・シーズンの到来だった。毎年十一月から、寮対抗のクィディッチ戦が行われる。フレッドやジョージは、グリフィンドールチームのビーターらしい。二人とはたまに顔を合わせる程度だったが、十一月に入ってからはそれも減った。二人は試合に忙しいようだ。
土曜日にグリフィンドール対スリザリンの試合が行われ、グリフィンドールが勝てば、寮対抗総合の二位に浮上する。
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鵲(プロフ) - 秋さん» 私の趣味です…🙏🙏🙏 (1月21日 16時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
秋 - とても面白いのですが、主人公の口調が男の子っぽいのには何か理由がありますか？？ (1月21日 15時) (レス) id: fd804455da (このIDを非表示/違反報告)
椛(プロフ) - まだ初め部分しか読んでいませんが、こちらもとても面白い物語だと確信しているのですごく楽しみで、また一気読みになりそうです。こんな素晴らしい作品を作っていただきありがとうございます。 (2022年1月31日 18時) (レス) id: 6f2367cc34 (このIDを非表示/違反報告)
椛(プロフ) - 随分遅れてしまいましたが新作おめでとうございます。前作(愛憎のフィナーレ)から飛んでこの作品を見つけました。前作はとても素晴らしい作品で何度も涙ぐみながら一気読みしました。そしてそんな物語を作れる作者様の新作！ (2022年1月31日 18時) (レス) @page10 id: 6f2367cc34 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - メロンソーダさん» ありがとうございます！！わわ！！過去作も…！！ありがとうございます！うれしいでず😭😭🙏💕💕 (2021年10月20日 20時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月8日 3時
