【wrwrd!】オレ、天使。3 【男主】 (ページ10)

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きもちわるい : シャオロンside ページ10

…言えないまま、この日が来てしまった

今日は国営放送の日
ゲストは大先生と、A
もう既に放送室に集まっている

昨日焦りに焦って大先生にAのことを相談してしまった
大先生からは
『放送の前にさらっと謝ればええねん。考えすぎやで、お前』
なんて軽々しい答えしか返ってこなかったが…この際やむを得ないのでその作戦で行くしかない

大先生にアイコンタクトを取れば、空気を察したようで部屋を出ていった

シャオ「…あの」

「！！…なァに？」

シャオ「この間…ごめん、無神経なこと言った」

「ああ！気にしなくていいのに。人間にはそういう時もないと、こころが疲れちゃうもんねェ」

やっぱりAは優しくて、不甲斐ない俺を許してくれて
許してくれてありがとう、とだけ言って軽くAに寄りかかった

Aはぴとっと俺の胸に耳を当てる
その行動に首をかしげると、Aは笑って言った

「シャオさん、緊張してたでしょ！心臓の音がすごくはやい。こんなに緊張していたのに思っていることを伝えられるって、やっぱりシャオさんはえらいよ」

さらに胸に頭を擦り付ける

そんな風に励ましてくれて嬉しい気持ちと、
密着度が高くて興奮する気持ちと、
このままめちゃくちゃにしてやりたい加虐心と、
…思っていることなんて本当は伝えられてないやんか、と自分を卑下する気持ちと

混ざり合って、押しつぶされそうで、きもちわるい

少しずつ青ざめていく俺に気づいたのかどうかはわからないが
Aは少しだけ離れて俺の頬を撫でた
その愛しい唇から発された音は、俺の心にどう響いたのだろう

「大丈夫、大丈夫」

-

シャオ「あー、今週も始まりました、国営放送。ゲストは大先生とAです」

鬱「あ、どうも僕です」

「あ！どうも！僕ですゥ！」

鬱「僕にしては随分と元気やなぁ」

無事、放送開始
始める前に耳打ちで結果を聞いてきた大先生には、余裕綽々のゲス顔で笑ってやった

…が

どうにもいつもの調子が出ない
どうした稀代の天才MCシャオロン
いつもはこんなんじゃないだろ？俺

鬱「シャオちゃんどした？おっpい揉む？」

シャオ「いらねぇわ」

大先生が捨て身で俺に振ってくれているのに、いつもの返しができない

シャオさん大丈夫？シャオロン疲れてね？なんか今日のつまらん。半端にするならやるなよ…大先生にMC交代か？

なんて、コメントは荒れまくり
悪意あるものばかりが目に映って
擁護コメントすら、段々悪意に見えてくる