【wrwrd!】オレ、天使。3 【男主】 (ページ9)

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欲 : シャオロンside ページ9

『お前最近おかしくないか？』

この言葉、近頃何度も俺に向けられるようになった
おかしい？俺が？断じてそんなはずはない
何故皆そんなに俺を悪者として扱うのか
シッマも、ゾムも、トントンも…皆

イライラが溜まって、煙草の量が増えた
俺の肺、ここ最近のせいでボロボロになっている気がする
それでも吸わないとやってられないのは何故か

…何故かなんて自分でよくわかってる
嫉妬だ
Aと楽しそうにする姿に嫉妬した
皆、普通の日常を過ごしていただけなのに

あー…くだらねーな、俺

「こんなところに。シャオさん」

シャオ「…A」

こんな時にどうして彼は俺のところに来る？
感情に任せて八つ当たりして、鬱憤を晴らすために煙草吸って

かっこ悪いじゃん、俺
なのに

「シャオさんが怒る気持ち、わかったよ、オレ。
心配してくれたんだよね？ありがとう、心配かけてごめんなさい」

シャオ「…ええねん、俺が勝手に気分悪くしただけやから」

「そっか…誰でも目についてしまう時、あるもんね
コネちゃん心配してたよ？悩み事でもあるんじゃないかって。コネちゃんじゃなくても、オレで良ければ話聞くしさ」

…なんか、違う
こんな感情、Aにはわからんだろうし、教えたくもない

シャオ「関係ないやろ、Aには」

あ、

言い捨てた瞬間にはもう遅かった
ばっと顔を上げて見たAの顔は、歪む

「…そう、なんか、ごめんねェ」

違う、違う、そうじゃないんだ
ごめん、A

その言葉すら喉がつかえて出てきてくれない
ぱくぱくと口を開閉する俺にAは顔を歪ませながら笑った

「…迷惑だったなら、ごめんなさい。オレ、もう行くから…でも、いつでも話くらいなら聞くから」

そう言ってAは去ってしまった
…せめてもの慈悲を残してくれただけ、優しいのだろうな
謝らないと、はやく…先ずは頭の中を整理して…

-おや、嫌われてしまったのではないか-

五月蠅いな、俺はすぐにでもAに謝らないと

-そんなことしなくたって、私が手伝いさえすれば解決できるぞ。何度も言っているだろう-

誰が得体も知れないお前なんかに頼るか

-まだ強情を張るか…きっと後悔するぞ-

…まだ、まだ何とかなるから

はやく言わないと、誤解だって
傷つけてごめんって言わないと
大丈夫、まだ間に合うから

-欲望こそが、人間の本質だというのに-

…それなら、今の俺の欲望はAとの関係を修復すること

それが俺の欲望だ、そうであってくれ