【wrwrd!】オレ、天使。3 【男主】 (ページ5)

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肌を刺す : ゾムside ページ5

ゾム「さ、寒い……寒スギィ…」

「確かに我々国とは全然温度が違うなァ…空気が肌を刺すようだ」

本日、俺とAは年中雪が降る国に偵察出張である
さっきまでは二輪を使って来たのだが、偵察はバレずにやり過ごすことが命である
ちょうど良くあった洞窟に二輪を隠し、今は針葉樹林を俺は駆け回って、Aは飛び回っている
機動力の高い俺たちだから出来る仕事だ

「ゾム大佐…君ほんとに人間かい？」

ゾム「なんでやねんw」

「普通そんな早く雪道走れないでしょ…本当にすごい、尊敬する」

ゾム「お、おう、ありがとうな」

それについてこれるAも相当凄いねんけどなぁ、という言葉は種族の違いを理由に躱されそうなので言わないでおく

さぁ、ようやく彼の国の国境門が見えて来たところだが

ゾム「A！ちょっと聞きたいんやけど…Aは俺のことどれくらい小さくできんの？」

「小さくする！？…あ、一緒に飛んでってことか？えっとね…おそらく君の今の身長からは２０センチほど小さく出来ると思うけど」

ゾム「２０センチかぁ…うーん…」

「え、小さくなってどうするの？」

ゾム「国境門にちっさい穴が空いてんねん…そうそう、あっこ」

「…まさかあそこから入るの？」

自信満々に首を振れば、Aは驚き呆れるように溜息を吐く

「いや、それならもっといい方法があるよォ…とても良い方法とは言えないけどね」

-

兵「おいお前達、何者だ」

ゾム「…俺…いや、私たちの服装でお分かりにはならないのか？」

兵「……！！教会のッ…！失礼いたしました！！」

どうやらAは事前にオスマンからこの国の文化を教えてもらっていたようで
国教の預言者の服を即席でつくってくれた

「…ね？大成功でしょ？」

ゾム「せやな！さすがやわ！…とりあえず人気のないところで元に戻ろう、この服じゃ目立つしな」

「あ、ならまたいい方法があるよォ」

Aが用意したのは、この国の民族衣装
はじめから民族衣装じゃダメだったのか、と一瞬考えたが
なるほど、国境門をアポ無しで通れる奴なんてお偉いさんくらいしかいないもんな
Aは機転がきく
流石、千年以上生きてるだけあるわ

ゾム「A、お前本当頭ええな！尊敬するわ」

「いやぁオレなんてそんなそんな…ほらほら、お仕事しないと」

真面目なAは俺を急かすが、まぁ鵜呑みにはしないよね

ゾム「ええねんそんなん後でで。怒る奴誰もおらんし、この街でもっと遊ぼうや？」