重箱のお弁当箱 ページ2
「ふぅ。やっと着いたぜ。意外に疲れないな。それより何故学校の門が閉まってるんだ?そういえば、今日日曜日じゃん!」
あ、なんで僕わざわざ声に出してるんだろ。恥ずかしいな。
あ〜〜〜。日曜日に着ちゃった。僕の走った意味は?最悪。きっとこんな馬鹿は僕だけ──
「遅刻じゃぁぁぁぁあああ!!!」
後ろの方から少女の雄叫びが聞こえる。いたよ。日曜日に学校きてる奴。いたよ。遅刻しそうな奴。いたよ。同士が。
すると、視界の端に狐の耳と九つの尻尾が生えた少女が見えた。驚いてもう一回じっくり見ようとすると、太陽の光りが反射して、眩しくなって目を瞑ってしまった。再び目を開けると、そこには狐の耳や尻尾が生えていない少女がいた。
「のぅ、門が閉まってるんじゃが、どうしてなのか?」
え?誰この子?知らない。同じ制服だけど……。え?知らない。さっき、狐の耳とか見えたような?気のせいか。最近疲れてるし。とりあえず質問に答えなくては!
「今日は日曜日なので、学校に来なくてもいいんですよ。」
「そうなのか!わらわ、転校初日に遅刻すると思ってつい焦って着ちゃったぞ!」
そういうと、少女は照れたように指で頬をかいている。てか、この子転校生なんだ。見たことない顔だと思ってたよ。
「僕もうかっり着ちゃったんだ。」
「そうなのか?お主も馬鹿じゃの!」
え、なにこの子。馬鹿って、酷くない?本当の事だけどさ……。
それより、この子の髪左が黒色で右が白色だ。染めてんのかな?目は黒色だ。あと、話し方が独特だなぁ。鞄持ってないし。何故か重箱持ってるし。僕が重箱を見ている事に気づいたのか、重箱について話してきた。
「これはの、朝準備しようと思ってたから準備できてなかったんじゃ。それで、とりあえずお弁当箱を持って行こうとおもったんじゃ!」
「学校に食事しに来たの?」
「食事しに着てる訳じゃないぞ!じゃって、持ってきたのはお弁当箱で、決してお弁当ではないからの!中身はなーーんも入ってないぞ!」
「何故持ってきた!」
予想の斜め上の返答に思わずツッコミを入れてしまった。
「お弁当箱持って何するの?」
「砂を入れてひっくり返せば、あら不思議!お城ができるぞ!」
「幼稚園児!?」
「えへへ。冗談じゃ!」
「やっぱり冗談だよね」
「多分?」
「多分!?」
「あっ!用がないならわらわは帰るの!じゃあの!」
「え、あ、バイバイ」
手をふりながら小走りで帰って行く少女に僕も手を振った。変な人だな。とりあえず僕も帰るか。
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作者名:ふうふう | 作成日時:2017年7月5日 20時