検索窓
今日:31 hit、昨日:45 hit、合計:10,212 hit

10 ページ10

____





あれからジョングクは殆ど店に入り浸ってる。


ダンスを踊って女の子に口説かれて、


不機嫌そうに眉を顰めて2階までやって来る。


それがお決まりになってきた。




「また口説かれてたの?」

「見てたなら助けてくれない」

「私が睨まれて終わりでしょ」

「彼女いるからって言えるじゃん」

「多分その場しのぎだよ、それ」




私の居ないところで結局また口説かれるって。




「そういえば、ずっとここに居ていいの?」

「いーよ。Aいるし」

「なにそれ」

「ていうか何でそんな事聞くの」

「部活あるでしょ?美術部の。」





ジョングクの絵は何度か見たことある気がする。


校内に展示されてるものに限るけど。


どんな絵だったか思い出そうとして、気づく。


ジョングクの目が翳ってることに。





「……別に、いいって。たかが部活だし」

「………」

「幽霊部員なんて俺以外にもいるよ」



その目が、確かに傷ついてる。


……聞いて欲しくなかった?部活のこと。




別に深い意味も悪気もなかった


でもきっと、ジョングクにとっては


まだ私が踏み込んで良いことじゃなかったんだ




「俺、ちょっと飲み物取ってくる」

「わかった……」



あぁ、聞いてごめんって言いそびれた。


…ごめん、って可笑しい?


どれが正解なのか分からない。


でも不用意に心に触れようとするのは間違いだった




顔を背けたまま私を一度も見ずに


立ち上がったジョングクの背を見届ける。




「はぁ……」

「あれ、溜息吐いてどうした?」

「ホソギオッパ」

「ジョングクどっか行ってるし」

「飲み物取りに行きました」




それは私から離れる口実だろうけど。


不貞腐れる私の頭をホソクさんは


軽く笑いながら撫でてくれた。安心する。




「私、距離感ないのかな。人に対して」

「テヒョンもそんな感じだしなぁ」

「あれは許されるっていうか」

「Aは仲良くなるまでは壁あるよ」




そうなのかな、自覚ないけど。


ただ興味ないだけなんじゃないかな。人に。




「でも仲良くなりたい人には距離詰めるかもな」

「……直した方がいいよね」

「そのままで良いだろ。Aの良さだし」





でもそれで誰かを傷つけたら意味ないよ。


そんな言葉はギリギリ飲み込んだ。

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
267人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジョングク
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2024年3月17日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。