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「Aはいつからこの店に居んの？」
「1年くらい前から」
「うわ、不良だ。」
「ジョングクも共犯者みたいなものでしょ」
私の隣に遠慮なく座るジョングクが
それもそうか、って言いながら頷く。
この年齢だとメイクしたり私服でいれば
大体は高校生だってバレることはない。
「何でここに来てんの」
「何となく」
「理由ないの？」
「ないよ。来ても楽しいわけじゃない」
じゃあ何で来るの、と
ジョングクの大きな目が問いかける。
何でって聞かれても分からない。
本当に、何となく、としか。
学校に行くのと同じように
この店に来るのがもう、当たり前なんだ。
「多分私の居場所、ここだから。」
「……じゃ、さっきのあの人たちは？」
「彼氏。」
「あり得ない。」
真面目に聞いてるんだけど。と
ジョングクの丸っこい瞳で威圧される。
別にちょっとした冗談じゃん。
そんなにイラつく要素あった？
「兄の友達っていえば分かる？」
「あー、それで。」
「そう。だから構われてるっていうか」
「ここに居ても怒られないんだ。」
「保護者みたいなものだからね」
「へー……」
ジョングクがふ、と目を伏せながら
目の前にあったコーラを飲み干す。
それ、確か私のだったと思うけどまぁいいか。
「そういえばジョングクも言ってたよね」
「ん？」
「毎日つまらないって。」
「それ言ったのはAの方。」
「俺もって同調したのはジョングク。」
「ああ、言ったかもね」
本当にあの言葉言ったの忘れてたの？
それともやっぱり深い意味はなかった？
「………部活も勉強も、面倒っていうか。」
「うん」
「なんか、俺って何の為に生きてんのかなって思って」
「え……」
その無表情は今、何を想ってるんだろう
私には黒い瞳から感情を読み取ることも出来なくて。
でも、ジョングク。
いつもそんな風に考えてたの……？
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作成日時：2024年3月17日 13時
