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やっぱりジョングクは目立つ。
こういう場では、特に。
顔が良いしダンスも上手いから、
嫌でも周りの女の子が寄ってくる。
でもそれを見るとジョングクは
嫌そうに顔を顰めて無視を決め込む。
あぁ、そういう所は学校の時と同じなのね。
「ジョングク。」
「A、俺から離れないで」
「近いと邪魔じゃない？」
「俺は別に気にならないけど」
「私は邪魔で仕方ない。」
「そんな感じだっけ、キムさんって」
顰めっ面だったジョングクがふと笑うから
私もそれにつられて笑いながら彼を見上げる。
なんか、久しぶりに楽しいかも。
「そうだよ、知らなかった？」
「不機嫌で仏頂面のキムさんしか知らなかった」
「私も無愛想で無口なチョンくんしか知らなかった」
「煽ってるじゃん、それ」
三日月型に細まる黒くて大きな瞳に
彼を見つめる私の顔が映り込む。
ジョングクの瞳に、私だけが映ってる。
その事実に背徳感に似た感覚が湧いて
ぞくり…、と背筋を走る。
何だろう。この感覚。
……まるで心ごとジョングクの物になったような感じ。
「…A？」
名前を呼ばれてハッとする。
あ、いま、余計なこと考えてたかも。
「ねぇ、そろそろ2階で休憩しない？私つかれた」
「俺はいいけど、良いの？あそこって入っても」
「私と一緒なら大丈夫でしょ。」
「ふーん」
特に気にした素振りもなく
ジョングクは大人しく私についてくる。
……はずがなく。
「ちょ、っと！」
「はぐれないように。」
「大丈夫でしょ、子どもじゃないんだし」
「いーから。俺がそうしたいんだよ」
大きな手を私の手と絡めてきたジョングクを
きっ、と睨んでも全く効果はなく。
……あぁもう、甘え上手で強引なやつ。
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作成日時：2024年3月17日 13時
