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「………あれ、キムさんだ。」


「とぼける必要あった?気づいてたでしょ」


「だってあの仏頂面、毎日見てるし」




既に汗を軽くかいてるジョングクが


Tシャツの裾で汗を拭くから


周りの女の子がその仕草と腹筋に釘付けだ。



……こんな男だっけ、ジョングクって。




「…なに?俺の身体に見惚れてんの?」




こんな風に強気に笑う男だったっけ。


揶揄うような声がハッキリ耳に届く。


あのいつも大人しいチョンくんはどこ?





「あんまり見ると金取るけど。」

「見せびらかしといて詐欺でしょそれ。」

「うそ、冗談。それより踊りにきたの?」

「チョンくんって冗談言うんだ?」

「……ここでは''ジョングク''で良くない?」




俺もAって呼ぶから。


そう付け足す彼を黙って見上げる。


……私の名前知ってたんだ。フルネームで。


一度も呼ばれたことないから知らなかった。




いや、名前知ってたなら


挨拶する時にでも呼んでよ。





「…ジョングク、この店はじめて?」

「なんで?」

「だって、いたら分かるでしょ。目立つし」

「目立つ?」

「わかってるくせに」




キョトンと丸い目を丸くさせて


態とらしく小首を傾げたジョングクが


珍しく本当に楽しそうに笑った。




「見た目がってこと?それともダンス?」




どっちもだってば。

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作成日時:2024年3月17日 13時

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