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「(…………あ、)」




なんか1人、踊りが上手い人がいる。


ホソクさんじゃない、あれは。


黒い髪に黒いTシャツ。黒いリングピアス。


シンプルな服装だけど体格の良さは目立つ。




顔……この位置じゃ見えない。


せめて一瞬でも良いから振り向いてくれないかな。


どんな人が踊っているのか、気になる。




周りの目を惹くダンスを踊る彼の顔が


不意にこっちを、見たような気がした。






「え………、あれって、」





え、いや、流石に見間違い?


でもあの端正な顔を見間違えるはずない。


だって私はあの顔をいつも学校で見てる。


携帯に視線を落とすその横顔をいつも。





「………ジョングク…?」




つい名前を口にした。


聞こえるはずもないのに彼は


私の方を見て何故か口角を上げた。



それから唇をパクパク動かす。


何て言ってるかは分からないけど


雰囲気的に「おいで」って誘われてるような。





「(………まさかね)」





踊る気分じゃなかったけど好奇心には勝てず


私は重い腰を上げて1階のダンスフロアに向かった。

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作成日時:2024年3月17日 13時

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