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「なんで無視すんの？」
「……は？してないし」
「教室のアレ。見てたくせに」
「逆に何か言う方が不自然でしょ」
「あー面倒くさかった」
ジョングクはいつも通り、飄々と現れた。
ポケットに手を突っ込んで怠そうに。
どさっと目の前に座りながら長い足を組んでいる。
告白って文化なくならないかな。
なんて呟くけど、無くなって困らないの、
あんたみたいな嫌でもモテる奴だけだから。
「Aの様子試したくて誘い乗ったのに。」
「満足した？」
「そんな感じに見える？」
「……って言ってもね。あの子どうしたの」
「告白断ったら泣かれた。」
「で、どうしたの。」
「とりあえず放置して店に来たけど」
だって泣き止まなかったし。と
悪びれなく言うジョングクに脱力する。
なんか頑張って告白したあの子が可哀想だ。
「話したことも無いのに好きって何？って感じ」
「あぁ………」
「俺の中身なんてどうでもいい女は俺もどうでもいい」
「……ジョングク」
「あ、Aは別だから。」
冷たく言葉を吐き出すジョングクが
無表情を笑顔に変えて私の方を見る。
その表情の変わり具合とか声色とか、
それが偶に怖くなる。
どれが本当のジョングクなのか分からない。
私に向ける笑顔も嘘だったらどうしよう。
それを素早く察するジョングクは
安心させるように骨張った手で頬を撫でてくる。
……それに安堵する時点で彼の思惑通りだ。
「Aは俺と居るの、なんで？」
「なんか楽しいし心地いいから。」
「だよね、俺も。」
「………」
「上っ面の恋愛感情より、こっちのが大事。」
その言葉はきっと嘘じゃない。
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作成日時：2024年3月17日 13時
