黒兎と私。 (ページ13)

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「放課後、ちょっといい？」

「………俺？」

ジョングクがきょとんとした目をその子に向ける。

耳まで真っ赤なその子を見て、何となく察する。

普段は女の子と関わらないジョングクだけど

やっぱりこの見た目の男を放っとくはずがなく。

「……いい、けど。」

ビックリして思わず視線を向ける。

……いつもなら断りそうなのに。

あぁそれはあの店の中だけか。

いや、でも、どうして。

唖然としてるとジョングクの瞳と

ふ、と視線がぶつかる。

何を考えてるか分からない目に

私の動揺を見透かされそうで、

怖くなってすぐに視線を解いた。

「(……別に、関係ない)」

ここは店の中じゃないし

学校での私達の関係は前から変わらない。

特別笑いあったり名前を呼んだりしない。

隣の席のクラスメイトで

"チョンくん"と"キムさん"なんだ。

そう思ったら急に頭が冷めた。

今まで無自覚に浮かれてたんだな、私。

「じゃあ、待ってるから。」

「……わかった」

ジョングク、あの子と付き合うのかな。

だとしたら私はもう要らないのかな。

そもそも私はジョングクの何だったんだろう

あの子と付き合ったら店に来なくなる？

「(……あぁ、面倒くさい)」

何でジョングクのことばっかり考えてるの。

友達ですら無いのに。

……でもジョングクがいなくなったら、

また毎日つまんなくなるのかな。

それが嫌だと思うほどには

彼の存在が私の中で大きくなっている。