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「何であの男と居るの？」
「格好良いから。」
「テヒョンが拗ねるよ」
「オッパは綺麗って感じでしょ」
「ああ……」
なんか偶にこの世のものじゃないような、
そんな綺麗さを誇ってる気がする。
普段はあんなにニコニコしているのに
無表情になると途端に怖いほど美しい。
自分の兄をそこまで言うのは複雑だけど
老若男女、誰をも虜にする美貌なのは確かだ。
オッパの親友のジミンもそれは分かってるらしい。
「まぁ、そうか。それは分かったけどさ」
「なに？」
「どこであんな悪い男に引っかかったの？学校？」
「遊ばれてるって言いたいわけ。」
「友達の距離感じゃないだろ」
「友達じゃないからね」
付き合ってんの？と鋭い糸目が向けられる。
なんて言うか、ジミンは私にもオッパにも過保護だ。
少なくとも名前を呼び捨てにしても
私を咎めないほどには甘い気がする。
「付き合ってもない」
「なにそれ。」
「何でもいいじゃん」
「楽しそうで何よりだな。」
「うん、楽しい」
前までとは比べようがないくらいに
この店にジョングクが居るだけで楽しい。
「ジミニオッパは心配しすぎ」
「お前が傷つくのが嫌なだけ。優しさだよ」
「それは有難いけどね」
「珍しく素直じゃん。ていうか機嫌いいね」
「私はいつも素直でしょ、オッパ？」
「うそつけ。」
困ったように、呆れたように笑うから
私もちょっとだけ愛嬌混じりに笑い返す。
オッパほど愛嬌は上手くないんだけどね。
あと私はジョングクに振り回されてるけど
遊ばれてるっていうのは、多分ない。
「なに、楽しそうじゃん。俺も混ぜてよ」
「汗拭いてからね」
「Aのジュースちょうだい」
「全部飲んだら蹴るからね。」
「脅しじゃん」
相変わらず女の子の誘いを無視して
私の方までやってきたジョングクが
座ったままの私の首を後ろから触る。
そしてあり得ないことを
息を吐くように言うのが、この男だ。
「……そろそろ首輪でも付けとく？」
「……頭、大丈夫？」
「だって他の男に尻尾振ってるから。」
「私はあんたのペットじゃないし」
「でも、おれのじゃん。Aは」
そう言いながらジミンを睨みつけるジョングク。
……それって嫉妬？独占欲？
それとも、いつもの気まぐれか。
まぁ何だっていいけど。
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作成日時：2024年3月17日 13時
