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ガンガンと頭に響く店内の音楽。
それに負けないくらいの笑い声や怒声。
仄暗い空間と、目が眩むほどの照明。
煙草臭かったりお酒臭かったり、快適とはいえない。
それでも私の居場所はここしか思いつかない。
「A、踊らないの?」
「んー…面倒くさい」
「若いくせに老人みたいだな」
「オッパこそ小言が多くておじさんみたい」
「俺はまだまだ若いよ?」
どかっと私の目の前に座るジミン。
糸目が私を困ったように見つめてる。
踊ってきた所為か額に少し汗をかいている。
「飲み物も全然飲んでないし。楽しくない?」
「まぁね。でもそれは何処にいても一緒」
「ふーん」
この店の2階は所謂VIP席みたいになっていて
限られた人しか上がってこれない。
1階のダンスフロアを見渡せるこの場所は、
正直に言って嫌いじゃない。
「俺と踊ろうよ」
「やだってば」
「身体動かした方がいいよ」
「余計なお世話ですー」
ジミンが頬杖ついて笑ってる。
仕方ないなって目をして私を見ながら。
多分、駄々っ子みたいに思われてるんだろうな。
まぁそれも間違ってはないけどね。
「最近、学校どう?」
「普通だよ。何にもない」
「そっか」
「ていうか、久しぶりに話す父親じゃないんだから」
「テヒョンの過保護が移ったのかも。」
そう言ってふんわり微笑むジミンが
私の頭を撫でてから席を立つ。
「(踊るのは嫌だけど格好良い人でもいないかな)」
なんて、思いながら1階をまた眺めた。
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作成日時:2024年3月17日 13時