【月永レオ】天使の心 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,186 hit

2 ページ3

＞＞＞＞＞

「学生の時も？」

「うん…。タイミングがよかっただけだったのかな」

「そこに結論がいくならここまで悩んでないでしょぉ」

…瀬名のいう通りだ。
問題は彼の中で私は少し特別だと思っていたのが揺らいでいるということ。

「…嫌われちゃったのかなぁ」

「それはないと思うけどね…。だって相手がレオさんじゃない？」

「てっきり俺は同棲解消とか、そんなことだと思ってたのにさぁー」

人の悩みを大きくするな。
というか、はたから見たらそんな危うそうに見えていたのだろうか。

「ちょっと、泉ちゃん。あんまり不安を煽るもんじゃないわよ？」

「はいはい、ちょっとからかっただけじゃん」

「…なんで同棲してくれるんだろう。っていうか、向こうはそんな気なかったのかな？」

「どこまで不安増やすわけ？いいから、今日は飲めば。明日からしばらくオフなんでしょ？」

そうお酒を勧められて、私は限界まで飲み続けるのだった。

＞＞＞＞＞＞＞

「A、そろそろ帰るよぉ」

「いやだぁ～。まだ一緒にいてー」

お酒を勧めるんじゃなかったと後悔しても遅い。
明日は嵐には昼から仕事があり、泉はオフ。
必然的にAの担当は泉となった。

日付が変わる手前で分かれて、タクシーに乗る。
その頃にはすでにAは寝てしまっていて、ホテルの場所はわからず仕方なく大阪のホテルを新たに取ってAを寝かせることにした。

起きたらびっくりするだろうと思った泉はメモにこの場所と駅への行き方、そして何かあれば連絡をしてと書き残した。

やることはまだある。
部屋を出て、ホテルのラウンジに腰掛けて携帯を触る。
「月永レオ」という名前をタップして電話をかける。
相変わらず出るかは怪しかったが、2コールくらいで繋がった。

「セナっ！大変なんだ！Aがいない！！」

電話に出たことだけでもびっくりだったのに、こちらが用件を言う前に喋り出した。

「Aならホテル」

「ホテル…？」

「大阪で公演があるってAは声をかけてたはずだけど？」

そういうと、大きな声で「あ～～～」と叫び出す。
何かと思えば「いくの忘れてた」と絶望の声。

レオくんはAの一番のファンだからね。
というか、怒鳴ったのは無意識で、「嫌われた」と言っていたのはAの勘違いだとわかる。

「Aに明日の朝にでも連絡してあげれば？」

「そうする～…」

レオが気落ちしたまま泉は電話を切った。