【APEX】強く 優しく 美しく【レイス】

異物 ページ16

Aside


…。

………………、

…ダメだ、頭から離れない。


今日の試合は無事(？)17位に終わり、今はベッドで休んでいる。の、だが。


『だめだ、ちょっと外の空気吸ってこよ』


今日の試合での不可解なことが頭から離れないのだ。


『戦闘中にわざわざ話をした理由…あのタイミングってことはきっとロビーじゃ話せなかったことなんだ』


頬に夜風を感じながら今日の試合を振り返る。

実際、銃声やら爆発音やら騒ぐ声やらで会話の内容なんてこれっぽっちも聞き取れなかった。

つまり、誰にも聞かれたくなかった秘密の話


『さすがクリプトさん、頭いいなぁ』


あの場を利用して内容がばれないようにする、なんて私じゃ到底思い付かない。

今度使ってみるか！


『…待ってよ、クリプトさんがレイスさんに話…？』


嫌な予感がするんだけど。


『まさか、計画がばれ…いや、なにも行動を起こしてないのにそんなわけ…』


でも、あのクリプトさんのことだ。私の一瞬の動揺を見逃さなかったのかもしれない。

昔から隠し事が苦手だった私が、なにか情報を漏らしてしまっていたのかもしれない。

または、私がここに来る以前に情報を手に入れていたのかもしれない…


不安は止まることを知らず、溢れるように原因となり得る事象が頭を掠める


『どうしよう…バレたらもう…』


怖い。

もしかしたら、なーんだ、そんなことかって受け入れてくれるかもしれない。




……でも、受け入れられなかったら？

そう考えると怖くて吐きそう。

あぁ、もう。





私が、“異物”でさえなければ。

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