参章 ページ46
東の地を後にした3人は、先の見えない長い道のりを歩き続けていた。
レオ「まずったな。次、どこに行く」
リン「取り敢エず目指すは北の地の森だね。アルーラの故郷でもアるし」
アル「そうして貰えると有難いわ。私早くあの子に会いたいの」
最終的な目的地が決まったことで、会議とは名ばかりの休憩を取ることにした。少し歩いた池の近くで木陰を探し腰を下ろす。
風に遊ばれさわさわと揺れる木々に疲れた心を落ち着かされていた。
リン「北の地の森に行くとするならここから少し道から逸れることになる」
レオ「その途中に街は?」
リン「なくはなイと思うよ。ただし、僕は北の地には詳しくなイよ。東の地からアまりでなイからね」
その言葉にレオはアルーラの方へ向く。
アル「わ、私だってわからないわよ!!ただ、無我夢中で走ってたから」
出会って以降自分の身に何が起こったのかを話さないアルーラ。それ程までに心にくるものがあったのだろうか。
それを汲み取ってか、レオとリンドラは詮索しないことにしている。
レオ「まぁいい。大体の道はわかるんだろう。それなら今夜の宿を探そう。リンここからわかる近い宿は?」
リン「それならわかるよ!道なりをまっすぐ行ったとこのだね」
レオ「よし。今日はそこに世話になろう」
取り敢えずと言って立ち上がり先の道に戻って歩き始める。
日に出る時、アルーラはフードをかぶり日差しよけを作った。
リン「アルーライイねそれ」
アル「えぇ。向こうで作ってもらう時にお願いしたのよ」
フードのついた薄生地のローブのようなものをかぶりふわっと一周回ってみせる。
その姿は新しいものを貰ってはしゃぐ子供のようで…レオはまたも微笑ましく思った。
暫く歩き見えてきたその建物は一階がバーになっているらしく、数こそは少ないがそれなりに人がいた。
「らっしゃい。何の用だい」
レオ「今夜ここに泊まりたい。部屋は…2つだな」
アル「いいえ、1つでいいわ!」
リン「そウだよレオ。何かアってからじゃ遅イし」
「何かって笑笑。なんも起こりゃしないさ」
ガハハと豪快に笑った店主は鍵を1つ渡す。
「一部屋4人用になってっから安心しろ」
そう言って店の奥へと消えていった。その言葉に甘えて、部屋に荷物を置きに行く。中は店主の言ったように広く3人いてものびのびと過ごせそうだった。
レオ「…店主に詫びを入れなきゃな」
そう言って苦笑いを浮かべていた。
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作者名:あげのり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2019年5月16日 15時