最強な弟。フツーな兄。

廿壱 ページ24

「遅かったな。って2人ともどうした？」


俺が来た1時間後くらいで到着した4人(女子が一人増えてる)のうち2人(虎杖と女子)がアイツを指さしてボロクソに言ってる。

初対面の子がいるからとりあえず挨拶をする。



「初めまして。五条Aです。歳は28。出来れば下の名前で呼んで欲しいな」


口角は少しあげるだけ、目も細めすぎない方が綺麗にみえる。でも、綺麗に見せるための笑顔じゃないから親しみを持てるようにニッコリと。

高専を出てからまず初めに身につけたのが“人から好かれる笑顔”。

そういう小手先の能力だけは昔から得意だった。

「釘崎野薔薇です。よろしくお願いします」
「え、なんか俺らの時より大人しくね？」
「猫かぶってんだろ」
「うっせぇぞお前ら」


今一瞬、女子からめちゃ怖い声聞こえたけど聞かなかったことにしよう。

ジーッと見られると照れるんだけど///




「自己紹介は済んだね。じゃあ本題に入るよ」

アイツは廃ビルを指さした。

「デカイ霊園があってさ廃ビルとのダブルパンチで呪いが発生したわけ」
「やっぱ墓とかって出やすいの？」
「墓地そのものじゃなくて、墓地＝怖いっていう人間の心の問題なんだよ」


呪いを作るのは人間が持つ負の感情。

呪いというのは人間の心の様を表してるとさえ言える。




本当に怖いのは呪いなんかじゃなくて人間なんだろうな、と厨二チックなことを考える。

全ての悪魔は地上にいる、なんつってね。

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