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廿漆 ページ30

伏黒くんの一言で話が本題に戻る。


「今日は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ」


フツーに言いすぎたかもしれないと、俺はこっそりため息をつく。別に喧嘩したい訳でもない。

また年下に気を使わせてしまった。

伏黒くんにはこれからも迷惑をかけそうだ。



「悪い。少し席外すわ」
「なんで?」
「トイレ」


別に行きたくもないけど。この場にいるのがやっぱり無理だった。アイツを見てるとどうにもいつもの調子が出ない。

できることなら関わりたくない

アイツを見てると俺がどうしようもないクズだということしか思えないのだ。


黒い心の内をその瞳で見透かされてそうで、少し怖い。



「……チッ」

ガンっと五条悟は床を蹴った。

虎杖も釘崎もいない、いるのは昔から知ってる伏黒のみ。特に取り繕う必要もなく、五条は苛立ちを表した。


「バカみたいですね」

そんな五条を珍しいと思いつつも、伏黒は思ったことを率直に言った。この双子のもどかしさに思わず一役買って出る。

「互いに名前も呼べないなんて、寂しい双子だな」
「全世界の兄弟が仲良しなわけじゃないよ」
「あの人は“所詮は他人”って言ってたけどな」
「……」

あと一押しだな、と五条の様子を見て伏黒は思う。そもそも五条は自分の感情を自覚してない。そしてこれを“兄弟喧嘩”だと思ってない。それはAも同じことだが。

伏黒は彼らについて何も知らない。

そこにどんな複雑さがあるかなんて知らないし、知りたくもない。



呪われて寝たきりになってしまった義姉の顔を思い浮かべる。

──話せるだけありがたいと思えバカども


「双子だからってなんでも分かり合えるわけないでしょう」

廿捌→←廿陸─side五条悟



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憐夏 - 好き めんどくさい兄弟関係って尊すぎる!   (2021年2月25日 20時) (レス) id: 1ae87684b0 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 伏黒の立ち位置が好きです。そして唐突に登場した歌姫も……好きだぁ。更新頑張ってください! 続編行ってきます! (2021年2月7日 3時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
るりあ(プロフ) - 800個目の星はもらったッ!! 好きです。更新頑張ってください。 (2021年1月31日 11時) (レス) id: d87d5c1f37 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - ああああああああぁぁぁ最高応援しておりまする!! (2021年1月24日 22時) (レス) id: adf56d1812 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - すっっっっ…………………………っきです。更新頑張って下さいまし!! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作成日時:2020年11月25日 1時

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