桜川の店主 ページ34
貴「あー!豆大福美味しかったですね!」
悲「そうだな...また来よう。」
私達は先程の甘味処を後にし、街を見て回っていた。
貴「うーん...行冥さんは、何か買うものはないんですか?」
悲「必需品はもう買ってあるからな...。寄りたい場所はあるが...。」
貴「本当ですか?じゃあ、そこに行きましょう!お店の名前分かりますか?」
悲「....桜川という小店らしい...。わざわざすまない...。」
貴「いいんですよ。あ!あのお店かな....」
私の目線の先には、耳飾りや首飾り、櫛や簪を売っている可愛らしい小店があった。
(!?行冥さんが、櫛!?)
悲「...入るとしよう...南無...。」
貴「え、あ、はい!」
私達がお店に入ると、桜の良い匂いが広がった。
店「やあ、お客さんかい?」
そして、店の奥から黒髪の男性が出てきた。
貴「は、はい!」
店「ふふ、そんなに固くならなくても、食べたりしないよ?」
悲「......」
店の男性は色々な商品を手に取り、分かりやすく説明してくれる。
と、男性が顔を上げた。
店「彼は盲目なのかな?瞳が無いけれど」
貴「はい、生まれつきで...」
店「そうなのか、気の毒だ...」
その時、男性の雰囲気ががらりと変わった。
まるで、白から漆黒に変わるように──
貴「ムグ...ッ..!?」
店「おーっと、暴れないで。鮮度が落ちる」
私は突然口に布を当てられ、店の奥に引きずり込まれた。
そしてそのまま、気を失った。
────────────
再び目を覚ましたのは、それから数刻過ぎたころだった。
店「おはよう、Aちゃん」
貴「っ!?ここはどこ?行冥さんは?!」
私は四肢を縛られ、地面に置かれていた。
男性は眉間に皺を寄せて答えた。
店「まーだあの男のこと言ってるのか....まあいいや。恋する乙女の肉はまだ喰ったことはないからなぁ」
そう言うと、男性の体は変形し始めた。
額には大きな角が生え、爪は尖り、牙が口から見え隠れしている。
店「彼、目見えないんでしょ?あの時なら拐えると思って、拐って来ちゃった。」
貴「お、鬼....」
店「うん、鬼だよ。ねえねぇ、ここ何処だと思う?ここね、僕の家。
普通に君を食べても良いんだけど、つまんないから、ちょっと遊ぼうか?」
鬼は私の太股に手を滑らせる。
貴「ひ、あっ」
鬼「うわー、凄く美味しそう」
(行冥さん、助けて.....)
私は、来るはずない恩師に必死に助けを乞うた。
.
87人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るるちゃ - え、最高…。悲鳴嶼さんすこすこのすこたんなんだけど笑笑悲鳴嶼さんの夢小説少ないから完結していてありがたかったです!! (2020年12月1日 23時) (レス) id: b8364d44bb (このIDを非表示/違反報告)
ラヴァ(プロフ) - さなさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからもどうぞ、宜しくお願いします♪南無阿弥陀仏..... (2020年4月18日 8時) (レス) id: 872177c79b (このIDを非表示/違反報告)
さな - 最高でした...。悲鳴嶼さんの夢小説が読めて幸せです!ありがとうございます...南無阿弥陀仏 (2020年4月18日 2時) (レス) id: daa05b1484 (このIDを非表示/違反報告)
ラヴァ(プロフ) - 星空 雫さん» コメントありがとうございます!この特異体質はいつか役に立つかも知れませんね...♪ (2020年3月5日 15時) (レス) id: 872177c79b (このIDを非表示/違反報告)
星空 雫 - まさかの夢主動物の声が聞こえる特異体質の持ち主とは!びっくりしました!更新お待ちしています! (2020年3月5日 15時) (レス) id: cfd7e474f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラヴァ | 作成日時:2020年2月10日 6時