【鬼滅の刃】天と岩と《起》【悲鳴嶼行冥】

子供(悲鳴嶼side) ページ16

悲鳴嶼side


嗚呼、どうしてこの子供には嫌悪感を抱かないのだ....


私は四日程前、任務中にある少女を保護した。

その少女は衰弱しており、昔の癖、までとはいかないが、私は直ぐに屋敷に連れ帰った。


そして、彼女は私のいない隙に、屋敷の外に出ていっていた。

この時ばかりは、私も気付かなかった。

この子供は、普通ではない。


私はつくづくそう思った。

そして、彼女を木陰から見守る....とはいっても、気配を感じ取るくらいだが。


すると、少女は目の前の鬼を何かしらの術で倒してしまった。


これには私も驚いた。

その後、蟲柱の元に少女を送り、治療をしたときであっても、重症といえど、三日で完治させるという治癒能力。






...鬼殺隊の戦力になるかもしれない。


と、いつもの私なら言うだろう。


だが、今回ばかりは、違う。




私はAを危険な目に会わせたくない。


私は過去の事もあり、子供の残酷さを身に染みて感じている。


だが、Aは違う。


彼女は、


『もっと私の事を教えたい』

と言っていた。


......Aの事を考えていると、胸が痛む。



自分でもわかるくらい、眉間に濃く深く皺が刻まれていく。


Aに稽古をつけるべきか。



どっちにしろ、本人の意志は尊重しよう。




では、あとは屋敷にかえってからAに相談だ。


帰るのが待ち遠しい。

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