【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ43)

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私の込み上げる怒りなんか露知らず、総長はまだ喋り続ける。

｢Aの事が、俺はまだ分からないんだよ。俺ばっかりお前の事を好きな気がして…｣

｢…｣

｢頼むから、居なくなる事だけはしないでくれ。それと男と話すのも極力避けてくれ｣

｢総長｣

堪忍袋の緒が切れた。総長、と呟くと、ピタリと話が止まる。

私は握っていた酒の瓶をゆっくりと頭の上まで持ち上げた。それに伴って、総長が私から離れる。

そこで漸く、私が怒っていることに気がついたのだろう。

もっと離れようとする総長の襟元の白い布、ジャボと呼ばれる部分をグッと掴んだ。

｢そんなに私が信用出来ないんですか｣

｢…A？｣

｢今日の今日まで我慢してきましたがもう限界です｣

｢待て、何をする気だ。まさか別れるなんて言わないよな？｣

｢…｣

｢A。悪かった、頼むから別れるのだけはやめ……！？｣

ジャボを引っ張った。勢いよく。そのまま、自分の顔を寄せる。

少し背伸びをして、高くなった目線。

総長がよろけて、片足で転けるのを防いだ瞬間。

可愛らしい音を立てて、触れるだけのキスをした。